タダの威力

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 私ら世代は「タダほど高いものはない」と教わったものですが、今の若い人には通用しないようです。

 「志の輔さん、ラインやってないんだ」

 「何、そのラインって?線のこと?」

 「やだ、信じられない。タダですよタダ。国内どころか海外だってタダで会話ができるんですよ」

 「どうすればそれが使えるようになるの?」

 「え? どうすればって設定するだけですよ。やってあげましょうか? お弟子さんは若いからきっと知ってますよ、使ってますよ。やってもらえばいいじゃないですか」

 「簡単に設定できるんならやってもいいけど、ところでどこの会社がもうけてるの?」

 「何ですか?」

 「いや、だから、使う側はタダでも、どこかの会社がもうけてるんだろ?」

 「いえ、そういうのはないですよ」

 「ないって……。じゃあ誰が運営してるの?」

 「運営ってなんですか?そんなのないんですよ。設定だけですから」

 「携帯の会社はどこでもいいの?」

 「どこでもいいんですよ。え?! ひょっとして志の輔さんはスカイプもやってないんですか?」

 「何それ?」

 「え? 信じられない。パソコンで設定すれば顔を見て『フェーストゥーフェース』で話ができるんですよ、タダで」

 「え、それもタダなの?どこがやってるの?」

 「またあ〜。どこがってスカイプがやってるんじゃないんですか?」

 よくは知らないらしい。

 「そのスカイプって会社は、どうやって経営してるの?」

 「そんなこと知りませんけど、とにかくタダなんですから。やらない手はないですよ」

 タダの威力を前にして会話がかみ合うわけがない。

 この数日後、スマホの会社を乗り換えようと調べると、何とスマホ本体の料金は2年がかりで支払うことになっていて、今解約すると解約料金が高額になるという。タダとこのギャップはどうなってるんだ、いったい。

 スマホからメールすら打てず、写真機能を使って保存してあるのは長崎の落語会に来てくださった福山雅治さんのお母さんと撮ったツーショットだけという不思議な私のスマホ。これも確か弟子が撮ってくれたもの。なに、送ってほしい?そーんなこと私に求めないでくださいな。電話以外はできないんだってば。

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# by woody-goody | 2013-11-01 12:04 | 社会

天野さんの隠居大学

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 落語のよき理解者であった天野祐吉さんが、この20日に旅立たれました。

 落語の、技術論でもなく作品論でもなく、演者論でもなく、みんなにひらったい言葉で落語の世界の豊かさを紹介する役を担われ、ついにはご自身がずっと憧れていた「御隠居さん」になられました。

 隠居になるための作法を学ぶ隠居大学まで始められたんですから。

 時代の先取りをすることにかけては最前線の広告を扱う「広告批評」という雑誌をつくり、その後は正岡子規記念館館長、名誉館長になり、そうそうたるメンバーで「子規亭 新・道後寄席」も始められ、中身は講演、落語会、対談と魅力的な空間をプロデュースされていました。

 10年間毎年独演会を開催してくださり、その度に対談もしていただきました。

 師匠談志が落語協会を出たこともあり、さまざまな試みをしてきた私の落語を温かく見守ってくださった方でもありました。

 そうそう、あれは1997年の11月に毎日新聞東京本社の地下ホールで天野さんとの対談付きの落語会をしたことがきっかけで、共著「話の後始末」という本も出してくださいました。

 そのあとがきが素晴らしかった。

 私の落語のマクラを「いつもいまを呼吸している」とほめてくださり、「芸人は、この世で最も生きのいいジャーナリストでなければいけない」と激励してくださいました。なぜなら、「主に江戸が舞台である落語は世にもおかしな宙づりの世界。この世界に入っていくためにはマクラという助走路が必要なのだ」と。

 で、「この本は志の輔さんとの世間話である」と。

 ここで天野さんは、「いま、世の中から世間話がなくなってしまっている」と嘆き、「いっとき、テレビのワイドショーが世間話の場になっていたように見えている時期もあったけれども、いまはワイドショーからは世間話が見えなくなった」と。

 「人と人は世間話でつながっているんじゃないかと思っているぼくにとってこれはユユしき事態である。やっぱり世間話は、サイコーのヒマつぶしであり、究極のレジャーであって、それがない世の中はひどくギスギスしたものになってしまうと思うのだ」と書き、最後をこう締めくくられています。

 「またどこかで会って、世間話をしましょう」

 今年三回忌を迎える師匠談志とも、今ごろ世間話をされていることでしょう。

 ヨッ、最高の御隠居!

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# by woody-goody | 2013-10-25 16:53 | 芸能

輝ける「かがやき」に

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 私も弟子に名前をつけるのに苦労していますが、ネーミングってほんと難しいですね。

 自身、師匠談志から「志の輔」という名前をもらったとき、えっ、と思うくらい違和感がありました。

 これで一生いくのか?と、喜びより不安の方が大きかったのです。

 若いお客様がくださったアンケートの中には「『しのほ』ですか?」というのもあったくらい。「輔」は読めない。たまたま永六輔先生がいらしたので「永先生のスケです」と説明できたから助かりましたが。

 明石家さんまさんも、師匠から「お前は、さんま」と芸名を告げられたとき、芸人やめようかと思ったそうです。

 それが今では、ご存じの通り。

 つまり、名前は本人がつくるものです。

 2015年、私の故郷富山県の悲願「北陸新幹線」がいよいよ開通の運びとなりました。

 私も、さまざまなイベントに出演を依頼され、盛り上がりの一助を担う予定ですが、この車両のネーミングが「かがやき」に決まりました。

 これが思わぬ論議を呼んでいるそうです。

 というのも、公募した名前の1位が「はくさん」なのに採用されなかったから。

 「加賀行き」をもじったんじゃないの、とか08年の「長野かがやき国体」と関係があるのかとか臆測が飛び、またこれは初めて知ったことなのですが鉄道のネーミングには格があるのだそうで、鳥の名前や天文事象が上の格なんだそうです。

 はくちょう、はやぶさ、つばめ、あけぼの、カシオペア、北斗星が思い浮かびます。

 その次の格は山、川の名前と続くそうな。

 落語「寿限無」は、子供がいい生涯を送れるよう、和尚から教えてもらった縁起のいい言葉を全部つけて長くなりすぎて困った話。

 今や、全国的に小学生がすらすら早口言葉のように言えるくらいに有名になりました。

 また、銀行の合併により、どちらの会社も名前を残したいがために、「三菱東京UFJ」など、なが〜い名前になってしまって、今に「寿限無」のように、全ての銀行名がプラスされてさらにながーくなったら、いっそ「銀行」という名前にしたらどう?というのは冗談で落語のマクラでしゃべっているのですが。

 さて、「かがやき」が本当に輝くかどうか、列車の魅力をいかにアピールできるか。決まった上は、フレー、フレー!

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# by woody-goody | 2013-10-18 11:53 | 列島各地

東北の温かさ、地道さ

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 好きなテレビ番組の一つに「秘密のケンミンSHOW」があります。全国の県民気質を面白く紹介する番組で、全国を落語会で動いている私にとってとても重宝な番組でもあるのです。

 先日のテーマは「この県ではノリツッコミができるか?」というもの。

 ノリツッコミとは、ありえないことを相手から言われた場合、普通なら「それはないでしょう」と答えますが、それでは面白くないので一度、相手の会話に乗ったと見せかけて、その後、「それはないだろう」と相手にツッコミを入れるという二段構えの笑いの作法。

 笑いが二度とれるので、お笑いの方たちの間では常識になっている手法です。

 あ〜、こういうふうに説明すると急につまらなくなりますね。

 でも、これを実際にいろんな県で、道行く人に投げかけてみた様子が放送されていたのです。どういう方法で県民のノリツッコミ度を測るのか、これが時代に合って秀逸でした。

 記憶に頼っているので忠実に再現されてないことを初めにおわびいたします。

 ディレクターがまず「あなたと話したいという人と電話がつながっているんですが、出てもらえますか」

 OKの返事をもらうと、すかさずディレクターが手渡したもの。それは大きなナスビです。この瞬間の反応が千差万別。

 笑いの街、大阪はさすがなのです。

 渡された10人が10人、喜んでナスビを受け取り、携帯電話に出るように耳に当てて「はいはい、もしもし、私やけど」と電話に語りかけノッてボケたあと、絶妙な一拍があって「……って、あほかいな!」とツッコミが入るのです。一人ノリツッコミ。高度な笑いの技を普通の人がこなせる大阪、恐るべし。大阪のパネリストが言いました。「大阪では、これができんと生きていかれへん」

 沖縄では、「これはナスでしょう」とニコニコ。おおらかだなあ。

 さて、東北の場合。

 真顔で「なんだって? これで何しろって? 話すの? ナスビじゃできないでしょう?」

 その通りでございます。この真面目さ、地道さ、温かさが東北を、東京を、日本を支えてきたのです。

 去年に引き続き、気仙沼で「気仙沼寄席」を終え、いまだ熱い余韻に浸っています。

 糸井重里さんの「おもいやり」企画に、気仙沼の「おもてなし」心。

 たくさんの皆さん。ご来場、本当にありがとうございました。

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# by woody-goody | 2013-10-11 12:31 | 列島各地

ノンジャンルな人たち

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 いつもはミュージカル公演で有名な赤坂ACTシアターで、落語「中村仲蔵」公演を行いました。

 「忠臣蔵」を題材にしたこの落語を、より深く理解していただくために前半では映像も使って忠臣蔵の全段を紹介するという試みの再演でした。そもそもミュージカルを前提に設計された広い空間なのに、終わってみればたった一人しか舞台にいないにもかかわらず、ギュッと凝縮され集中できて広さを感じなかったという多数の感想が寄せられました。照明、音響さんらスタッフの力もお借りして新たな落語の見せ方が提案できたかと思うと感無量です。

 落語ファンだけじゃない方々にも落語を見てもらいたい。この空間でどんなことができるのだろうと考えた結果の演出でした。

 私が赤坂で舞台を務めている頃、当然のことながら見に行けなくて残念だったのが、新宿での松元ヒロさん「ひとり立ち」公演。古くは新大久保の小さな会場で行われていた頃、師匠談志も私も出かけて、その笑いを交えた熱いトークに感動したものでした。言いたいことがある人は強い。

 現実の問題に真っ向から斬り込み、ためらいを見せながら奥底には強い信念。今までなかったヒロジャンルを作り上げたのです。

 このようにノンジャンルで頑張っている人たちがたくさんいます。

 鉄道ネタから人情もの、鋭い視点で時事ネタも過激なダメじゃん小出さん。鉄道ネタもあるけれど、東京タワーにスカイツリーの歌を作るかと思えば古い邦画に詳しく、決して大向こうをうならせない軽さが持ち味のスタンダップコミック・寒空はだかさん。学生服が似合いそうな風体で演歌を歌い継ぐカンカラ三線弾き歌いの岡大介さん。居酒屋に老人ホーム、大道で民謡からシャンソンまでアコーディオンを弾き歌う遠峰あこさん。渾身の思いを込めて野球、競馬、映画、芸人を「山田かたり」に昇華させた山田雅人さん。そして驚くべきは、女3人で笑いを続けているコントだるま食堂さん。なんと今年で26.5周年(笑)だそうで、「凹凹大回転」と銘打った公演が、なんといつも私が夏に「牡丹灯籠」公演を行っている下北沢の本多劇場で11月4日にあるとのこと。くだらなさ、ばかばかしさを女性が続けるその苦労をみじんも感じさせず、相変わらず「馬鹿だなあ」と思わせてくれる3人。女性が笑いを味方にしたら怖いものなしでしょう。

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# by woody-goody | 2013-10-04 17:47 | 社会

眠りたいなら起きろ

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 先週「半沢直樹」が終わり落胆。そしていよいよ明日が「あまちゃん」の最終回。

 落語会の打ち上げをしていたら、隣のテーブルはもっぱらこの話題で盛り上がっていました。

 「ほんと、困るよ。年内どうすればいいんだよ、俺」と言うサラリーマンの一人に、笑いながらため息をつく人たち。

 半沢ロス、あまちゃんロス症候群が続出しそうといううわさが真面目にあちこちでささやかれています。

 テレビドラマが日常生活に与える影響を、久しぶりに強く感じた今年でした。

 よく言われる、テレビというメディアは、もはやダメということではなくて、面白いものや良いものさえあれば、見る人は山のようにいるんだ、ということを見事に証明しました。

 ただ、面白い番組が増えると、留守録してある番組を夜中に整理しながら見始めるので、睡眠のリズムが狂ってしまうのも事実で、留守録を見ずに普通に就寝したときも必ず真夜中に目が覚めるという習慣がついて5年がたちます。

 それにしても若い頃の8時間熟睡はどこへいってしまったのか。なぜ歳をとると眠れなくなるのか。「眠るのって体力がいるんだなあ」と思っていたそんな折に、一昨日放送した「ためしてガッテン」で不眠を取り上げたのです。

 そこで意外なことがわかりました。

 「一日7、8時間寝るのが理想。眠れなくても、とにかく横になっていれば体は休まる」という思い込みがかえってストレスになり、眠りを妨げていたことがわかったのです。

 子供のころに親から何度起こされようが起きられなかった熟睡体験の記憶を消せないで、もっと寝られるはずとベッドの中で不眠にもんもんとしているより、いっそ起きてしまって気分を切り替えたほうが眠気はやってくるのだそうです。

 テレビを見てもいい。ラジオを聴いても、本を読んでもいい。

 「あ、また目が覚めた、こんな夜中に。明日は早いんだから早く寝なきゃ。眠れ眠れ」と呪文のように唱えて、自分で自分にストレスをためるのはもうやめようと、私は、番組収録のあった日の夜から、目が覚めたなら起きてみることにしました。

 すると、どうでしょう、しばらくすると眠くなったんです。「そう簡単に、寝かせるものか」と自分に言い聞かせると、もっと眠くなったんです。

 「眠りたいなら起きろ」。この矛盾した睡眠法、どうぞお試しあれ。

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# by woody-goody | 2013-09-27 12:15 | 社会

謎の痛みに後悔の念

 こんな事ってあるんですねえ。

 何気なーくテレビを見て普通に床に就き、普通に寝たんです。

 夜中にトイレへ行こうと起き上がった時に、あれれれ、左足が動かない。んん、この尻の後ろから脚にかけての痛みはいったい何だ?

 寝違えた? それにしちゃあ痛みが尋常じゃない。

 何せトイレへ行かねば。壁を伝って左足を引きずりながら到着。何とか用を足してベッドに戻ったのはいいのですが、痛みで眠れない夜を過ごす。

 朝一番で近所の整骨院に駆け込み、「どうしました?」と聞かれても「寝て起きたら左足が動かないんです」としか言いようがないのです。

 少し痛みをとってもらって午後は鍼灸の専門院へ。そのまま立ち仕事の司会と座り仕事の落語をこなす。

 特に立ち上がる瞬間と座る瞬間、左股関節あたりにズキズキ痛みが走る。

 偶然、腰のレントゲン写真を撮ったばかりだったので、骨に異常がないことははっきりしています。

 知り合いに片っ端から電話して聞いてみると、いやはや、痛みの原因を類推する幅の広さよ。

 座骨神経痛じゃない?

 普段の姿勢が悪いんじゃない?

 たばこをやめて太ったから腰が支えきれなくなっているんじゃない?

 来年還暦だからもう体にガタがきてるんじゃない?

 台風の前後で気温と気圧が変わったからじゃない?

 ゴルフのスイングに問題があるのでは?

 そら運動不足じゃない?

 あ〜、もう原因はどうでもいい。この痛みを取り除いてくれさえすれば、何でも言う事聞きます、今度こそ絶対に、と固く誓う私。

 今、とっても謙虚。

 そして予想されるのは、「腰痛特集を何度も放送した、その科学番組の司会者は誰? あんたでしょ!」という視聴者からの総ツッコミです。

 はい、そうでした。

 皆様にお勧めしておきながら、私は日々の暮らしでそれらを実践していなかったことを、ここに告白し、おわびいたします。

 申し訳ございませんでした。こう考えればいかがでしょう? 私は油断した場合の実験台になってみました。次回の番組では、説得力がさらに増した司会でお届けします。

 後悔の念にさいなまれながら、昨日から赤坂アクトシアターにて「忠臣蔵」と「中村仲蔵」という長時間ライブを始めております。あと3日間。いろんな意味で、乞うご期待。

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# by woody-goody | 2013-09-20 14:48 | 社会

ペヤングの法則

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 私がCM出演している「ペヤング・ソース焼きそば」の「『ペヤング』はどういう意味?」と、よく聞かれるのですが、スポンサーさんからの答えは「ペアーヤング」。つまり若い二人で、カップルで食べてほしいという願いが込められているのだそうです。

 ヤング! 時代を感じますねえ。

 さて、ペヤングの正しい作り方、食べ方です。もちろんパッケージに書いてあるんですが、私の一工夫をお教えしましょうか。

 まず、パッケージから乾燥麺を外へ取り出してしまいます。で、容器の底に乾燥野菜を置き、その上に先ほど取り出した乾燥麺を置きます。

 そこへお湯を注ぎます。

 さて、3分待って湯切りに入ります。この時に野菜がお湯と一緒に湯切り口から出てしまうことがよくありますが、麺の下に野菜をちんまり忍ばせることによって、ああら不思議、防げるってわけなんです。

 当たり前か。

 「ガッテン」していただけました?

 でも、こんなささいな工夫なんて、ほんとお恥ずかしいと平身低頭したい方がいます。

 お湯の量や時間によってペヤングがどう変化するかを実験、詳細に記した堀井憲一郎さん。

 週刊文春連載「ホリイのずんずん調査」が一冊にまとめられた「かつて誰も調べなかった100の謎」(文芸春秋刊)の中にある「『ペヤングの法則』」の項。

 まず、湯切りの時に麺を全部こぼしてしまったことが人生で2度あるらしいのですが、それはさておき、「ペヤングに、お湯を何cc入れると捨てるお湯は何ccになるのか」という調査を開始。500ccだと捨てたお湯の量は330cc。ということは麺は170ccを吸い込んだことになり、ここでさらに歩を進めるのが堀井流。ついに、ペヤングの法則が発見されました。

 「湯は多く入れた方が、麺はより多く吸収する」

 湯の重みも関係するのかなあ。

 ここまでこだわれば立派な科学。

 この他にも「銀座の寿司屋に飛び込みで入るといくらかかるのか」とか「日本人がカメラにVサインをするようになったのはいつからか」など、知らなくてもいいけど、ちょっとは知りたい謎が解明されています。

 帯にはこうあります。「ネットでは検索できない秘密がここにある。役に立たないが、なぜだか面白い天下の奇書、堂々完成」。なんのなんの、大変役に立ちますよ。

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# by woody-goody | 2013-09-13 17:51 | 社会

叱り方の極意は?

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 そうかあ。ネットには大量のアプリ(ネット上で、ある作業を実行できるソフトウエア、仕組み)があふれていますが、ここまで来たか、と思ったのは「鬼から電話」。この夏休み、その絶大な効果に驚いた友人から電話がありました。

 お盆で帰省した実家ではおいっ子やめいっ子が集まり大騒ぎ。年に一度の特別なイベントなので、いつも怒っている親も大目に見てくれるはずということを子供もわかっていて、はしゃぎっぱなし。自分でも制御できなくなるのでしょう。

 それが度を超すと大人も黙ってはいられません。兄嫁が何度注意しても、走り出した車は急に止められないのと同じで、ブレーキが利かなくなった子供は、ますます声が大きくなり走り回る。

 ついに、兄嫁は「鬼さんに電話するよ」。

 「いやだいやだ」と言いながらも、まだ騒ぎ続ける子供たち。兄嫁はおもむろに言いました。

 「じゃ、電話する」とスマートフォンのボタンを押すと、スピーカーから「はい、赤鬼です。どうしましたか?」「あのー、子供たちがね、うるさいんです」「そうですか、困りましたね。ちょっと電話を替わってくれますか?」「わかりました。少々お待ちください。ほら、鬼さんが電話に出てるよ」とスマホを渡すと、騒ぎはピタッと収まり、「ごめんなさい。もう騒がないから」と、泣いて親に頼み出したんだそうです。

 言う事を聞かない子供を親の代わりに叱ってくれる無料アプリ。他にも、「歯磨きをしないとき」はユウくん、「お片づけをしないとき」は佐々木さん、などシチュエーションによって違うキャラクターが出て来る設定になっています。

 叱るばかりではなく「あいさつができたとき」「お手伝いをしてくれたとき」など、ほめてくれるパターンも追加されました。

 友人は言います。子供に絶大な効果があったことより、スマホを片手に赤鬼のセリフに合わせ、間をとって話しかけているかのようにセリフを入れる兄嫁の演技力が、怖いくらい上手で笑いをこらえていたと。

 ただし、これは、その子の性格やシチュエーションを見極めた上で使わなければいけないのはもちろんです。怖がって泣きやまない子や、逆に面白がってますます騒ぐという場合も。

 子供のことを十分にわかっていて、愛情があるというのが大前提。

 叱るのもほめるのも、それがなければどちらも通じませんものね。

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# by woody-goody | 2013-09-06 15:20 | 社会

今年も気仙沼で寄席

 さあ、「第2回気仙沼寄席」の季節がやってまいりました。えっ、2回目があるなんて思わなかったって? 今年も糸井重里さんは熱いのです。

 思えば一昨年、震災の年の暮れ。糸井さんから相談したいことがある、と持ちかけられたのがきっかけでした。「目黒のさんま祭りで焼かれる5000匹あまりのサンマは、気仙沼の人たちが自費で東京まで持って来てくれてるって知ってました?」

 初めて耳にする事実に私はびっくり。

 「で、実はその気仙沼で落語会をやりたいんです。でも決して慰問の会ではなく、気仙沼市民の皆さんにサンマの代金を、自身で稼いでいただこう、つまり落語会スタッフになってもらって、落語会の収益をサンマの代金に充ててもらおうという企画なんです」

 いかにも糸井さんらしいユニークな企画で、二つ返事で「やりましょう」と答えました。

 去年の「第1回気仙沼さんま寄席」では、全国から1000人を超すお客様が気仙沼を訪れ、私の落語を聴いてくれました。こんなことがなければ、生涯落語とは無縁だったかもしれない方々もたくさん。

 あの日の興奮は今までの落語家人生で味わったことのない、言葉では言い表せない感動でした。地元の子供たちの太鼓や舞に秘められた願いを思うと、頬を熱いものがつたいました。

 伝統芸能である落語が、こんな大災害に見舞われ、大変な思いで毎日を生きる人々の心に果たして届くものだろうか。会の直前まで抱いていた不安が、皆さんからいただいた拍手や笑顔で吹っ飛びました。

 もちろん、現地でみんなといただいた、富山弁ではキトキトと表現するのですが、新鮮なサンマのうまさと言ったら、筆舌に尽くしがたいとはこのこと。

 さあ、9月28,29日の2日間に第2回を行います。1日増えたのは「地元のスタッフさんにもぜひ見ていただきたい」と前夜祭落語会を私から提案したからなのです。ならば「土曜日は東北6県からのご応募限定落語会」と、糸井さんのアイデア。日曜日は全国からご応募OKだそうです。

 津波で陸まで乗り上げた漁船「第18共徳丸」が、市民投票で撤去が決まったとニュースで知り、去年実際に見上げたときの感慨がよみがえりました。

 どうぞ、ご都合がつけば、去年いらした方も、今年初めての方も、そして東北のお知り合いにも、ぜひお声がけいただいて、気仙沼でお会いしましょう。

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# by woody-goody | 2013-08-30 11:54 | 芸能


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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