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わかりにくい政治

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 「恒例・牡丹灯籠2013」にお越しいただいた皆様、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

 大長編をダイジェストにして、登場人物の関係性が把握できて、かつ面白くてためになる舞台にと、苦労して作り上げた作品です。

 3年ぶり6回目の再演。初演から数えれば私もお客様も七つ年を重ねているわけで、体力的にも精神的にも多少の衰えがあるはずなのに、公演時間は変わらずの3時間。我ながらあきれております。

 この公演はもちろんのこと、この春から他の独演会でもマクラで言い続けてきたのは、「投票に行くと選挙速報が面白くなるよ」でした。開票速報を見ながら、候補者や党が獲得した票数の最後の数字の1票、あ、あれは俺が入れたんだと思うと、何だか誇らしい気持ちになるのです。

 千秋楽を終えて乾杯もそこそこに、自宅のテレビで選挙速報に見入りました。各局それぞれに工夫をこらしていましたが、ザッピングしながら池上彰さんの番組に落ち着き、最後まで。

 視聴率もトップだったとか。

 いやはや面白かった。よくわかった。こちらが聞いてほしいと思うことを聞いてくれ、スカッとした場面がいくつも。ジャーナリスト出身の強みが、番組を生き生きさせていました。

 「わかりやすさ」って大事です。

 わかりやすさということで言えば、私は、地方から「こども新聞」を送ってもらっています。小学校高学年程度のレベルに設定してある記事の数々。テーマは「憲法」「経済」「生活科学」「方言」「言い伝え」など実に幅広くわかりやすい書き方です。

 「ネット選挙運動」についての記事は特に勉強になり、ガッテンしました。専門家の方々が子供たちに丁寧に伝えようとする姿勢が伝わってくるのです。

 そう言えば毎日新聞「月刊なるほドリ」もわかりやすいですね。

 しかし日本の現状は、私の理解度もあるのでしょうが、特に政治のこととなると「わざとわかりにくくしてるんじゃない?」と思うほどです。

 「わかってもらいたい」という熱意が伝わってこないんです。

 国民がわからない方がやりやすいんでしょうかね。また、そのことに慣れてしまっている私たち。

 今ごろ、こんなことに気がついている場合じゃないんですが、賛成にしろ、反対にしろ、わかった上でしてもらった方がきっとうれしいはずなんですがね。

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by woody-goody | 2013-07-26 11:30 | 政治

千秋楽は投票日

 こんなに続くとは思ってもいなかったのです。

 恒例の下北沢本多劇場公演、三遊亭円朝作「牡丹灯籠」のことです。

 今年は16日から6公演になりました。

 思い起こせば7年前。たまたま「円朝全集」のページをめくっていた時のこと。

 あの「牡丹灯籠」でしょ? と思いつつ、「いくら読み進んでも知ってる場面が出て来ないぞ」と。

 知ってる場面とは、皆さんもよくご存じの幽霊がカランコロンと下駄を鳴らしながら、愛する人の家を訪れるというシーンです。

 「お露と新三郎」「お札はがし」、さらにせいぜい「お峰殺し」や「関口屋のゆすり」。私が知ってる「牡丹灯籠」は全体の三分の一に過ぎなかったと気付きがくぜん。「案外、私みたいな人がたくさんいるんじゃないかな」「そうだ、これを一気にやってみたい」という気持ちが、むくむく沸き起こってきたのです。

 明治17年、円朝師が15日間連続30時間ほどもかかっただろうこの噺を、私は2時間ほどでやってしまおうと決意したのです。

 ところが現在、落語にもなっているところは、残っているだけあって面白いところばかり。全体の「いいとこどり」が作品となって語り伝えられてきたのです。でも、全体が見えないので、聴き終わった後には頭の上にクエスチョンマークがいくつも浮かぶということにもなるのです。

 そこで一晩で全体像もつかめ、それが故に印象的な場面に深みを与えられるような「志の輔版・牡丹灯籠」をこしらえるのに心血を注ぎました。とにかく、お帰りになる時にお客様の頭にクエスチョンマークが浮かばぬように、すっきりした頭で帰っていただけることだけはお約束できる構成に致しました。

 5年目の再再再再公演です。

 つくっていてつくづく思ったのは、幽霊という概念を等しく持つ日本人のありがたさ。西洋のモンスターやゴーストと違って、円山応挙が描いた絵がお手本の、両手を前へだらりと垂らし、足がない幽霊キャラクターが、お客様の頭に描かれるというありがたさ。

 一応、怪談「牡丹灯籠」と銘打ってはありますが、聴き終わった後、「これって怪談噺じゃないよね」と思っていただけるかも。

 そう、それが狙いです。

 去年からスケジュールを決めていたとは言え、選挙ウイークに重なるとはね。最終日が投票日。「こいつぁー、夏から縁起がいいわい?」

 お待ちしています。

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by woody-goody | 2013-07-12 16:36 | 芸能

イグノーベル賞受賞?

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 知る人ぞ知るイグノーベル賞は「ユニークな研究に与えられる」賞です。どう考えても無駄な研究と思えるものであっても、そこにユーモアが感じられたり科学に興味を持つきっかけになれば、という願いが込められています。

 例えば、日本人が受賞した例で言うと、「火災などの事故で眠ってしまった人を起こすのに、ワサビを嗅がせたら有効だった」という事実を聴覚障害者用の火災報知機開発研究に役立てたり、山岳地帯や山間部に鉄道を新設する際に粘菌の特性を利用して最短距離の路線を見つけたり、台所の生ゴミを減らすのにジャイアントパンダの排せつ物から採取したバクテリアを研究したり……。

 こんな身近なところから発想された研究が、案外大発見につながることもあるのではないでしょうか。

 さて、今週の「ためしてガッテン」を、ご覧いただけたでしょうか?

 私が司会をしている番組なので「手前みそ」になりすぎるか、とコラムでは紹介を控えていたのですが、今週の実験と成果はイグノーベル賞ものだなあ、と自信を持っているので、ここにご紹介する次第です。

 炭酸飲料を落としたり、車で運んだ後にフタを開けると、いきなり泡が噴き出て中身が3分の1くらいに減ってしまったという経験は、みなさん一度や二度はおありでしょう。ガッテンスタッフは、これを何とかすべく、いろんな実験を試みました。

 瓶や缶を転がしてみたり、握ったり、指ではじいてみたり。思いつくことはすべてやってみました。

 で、ついに発見!

 30秒で解決したのです。

 落としてしまった瓶でも缶でも喉に当てて30秒間、「あー」でも「うー」でも。何なら歌ってもいいのです。

 要は、細かい震動を与えること。で、開けてごらんなさい、あーら不思議、泡は出なくなるのです。

 メカニズムはこうです。

 激しく振られた炭酸飲料の容器の中は、小さな泡でいっぱいになります。フタを開けると、この小さな泡が周囲の液体をも巻き込んで一気に上昇、噴き出すというわけです。

 つまり、噴き出させないためには、小さな泡をなくせばいい。要するに「泡の噴出の原因となる小さな泡のもとを声の震動で消してしまおう」というわけです。

 スタッフはイグノーベル賞応募方法を調べ始めました。何かいい方法をご存じの方、ご一報を。私はいま、受賞ステージで着用するタキシードを注文しようかと考え始めています(笑)。

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by woody-goody | 2013-07-05 12:30 | 芸能


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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