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インテリ弟子と44歳真打ち

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 私には、現在6人の弟子がいます。

 一番弟子が立川志の吉、二番が志の八。

 名前をつけた私自身にもよくわからないのですが、二番目なのになぜか「八」なのです。

 そして三番目が、このたび前座から二つ目という身分に昇進した志の春です。

 今や、落語界には高学歴がそう珍しくないのですが、出色なのは春風亭昇太さんのお弟子さんで、東大を卒業した昇吉くん。

 それに負けず劣らずなのが、志の春で、なんとブッシュ前大統領と同じイエール大学を卒業したそうです。

 入門したいと最初にやって来たときは、超一流商社に勤務していました。

 はたして、こんなエリートな経歴を持つ人間が落語家になれるのだろうか、親は今までがもったいないと思うだろう、大丈夫なのだろうか、断った方が良いのかもしれない、などなど、珍しく迷いました。
 
 でも入門後は、さすが学業が優秀だっただけあってか、落語がうまくなるスピードが驚くほど速かったのです。

 ただの偏差値人間ではなかったのです。

 自分の弟子をほめるのもなんだか妙な気分ですが、生来努力家なのでしょう。

 当然ながら英語も堪能で、私もやる英語落語に関しては、志の春にはかないません。

 冗談抜きで、世界中で通用する落語家になってほしい。

 これからは彼らが新しい落語の世界をつくるのです。

 人のやれないことをどんどんやってほしい。

 そしてもう一人、弟弟子にあたる立川キウイがめでたく真打ちに昇進したのも喜ばしいことです。

 前座修業を16年、現在44歳という変わり種。「万年前座」(新潮社)という本には師匠談志との思い出がつづられていますが、寿司屋のエピソードには笑いました。

 カウンターに座り師匠は板前さんに「俺には普通に握ってくれ。こいつにはネタはいらないからシャリだけ握ってやってくれ」。師匠独特のシャレです。

 キウイの皿には、

 「はい、ハマチ」

 「はい、イクラ」

と言いつつ、シャリだけが握られてきます。

 10個ほどシャリを食べ終えたころ、師匠が聞きました。

 「キウイ、どれが一番うまかった?」

 「はい、やっぱりトロです!」

 きついシャレを解し、落語家らしい返答で、師匠を喜ばせたキウイ。7月19日、なかのZEROホールにて真打ち披露興行が行われます。私も出演いたします。

 ぜひお越しくださいませ。

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by woody-goody | 2011-05-27 06:27 | 芸能

半刻壱噺(はんときいちわ)

 毎年恒例の下北沢本多劇場、今年の新企画は、「半刻壱噺(はんときいちわ)」と題した独演会をいたします。

 この四文字熟語、もちろん私の造語です。一刻と言えば、江戸時代の時間の単位で約2時間のこと。ほとんどの公演は一刻ですが、もし半刻つまり1時間の公演形態にした場合、お客様にとって気軽でいい感じになるのか、それとも物足りない感じになるのか、私の中で素朴な疑問が生じ、ならばこの際、いっそやってみよう、となりました。

 休憩なしで1時間、延びても1時間ちょっと、演目はシンプルに1席、これも初の試みなら、1日3回公演同じ演目、というのも初の試み。

 新たな試みを実現させてくれる下北沢公演、ワクワクしますが、さすがにこれはどうなんでしょう、正直なにもこのキャリアでこんなことやらなくても、とちよっぴり不安であります。

 それにしても時間というのは不思議で、子供の頃は1日があんなに長かったのに、今では1年があっという間。

 つい先日お正月だったのに、もう1年の半分が過ぎようとしてる。

 年々早くなる時。

 この、時の流れる速度と年齢の関係を、すでに公式にした人がおりました。

 19世紀のフランスの心理学者、ポール・ジャネーが提唱した「ジャネーの法則」。

 「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」というもの。

 たとえば、50歳の人間にとっての10年間は5歳の1年間に相当し、1歳の子供の1日は50歳の50日にあたるというのです。

 そう言われればそんな気がしてきます。

 さらに、授業は長く感じたけれども、休み時間は短く感じたというように、楽しい時間は速く過ぎる感じがしますしね。

 演劇、落語会、音楽のライブ、映画、だいたいほとんど2時間が基本です。

 だからあえて今回の本多劇場公演では、時間と落語、演者の充足とお客様の満足、落語の裏でひっそりいくつかの実験を試みております。

 気がつけば、もう来週の月、火です。チケツトを入手された方、ごゆっくり、いや、お手軽に、いや、とにかく新しい楽しみ方を味わっていただけたら幸いです。

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by woody-goody | 2011-05-20 05:31 | 芸能

そうだったのか日本

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 「えっ、そんな簡単にそんな重要なこと言っていいの?」と驚くニュースが続きます。

 浜岡原発の停止を菅総理が中部竃力に要請した時点で、そんな簡単に決まるものなの、と驚き、要請された側も、国の支援を条件にいともあっさり停止を決定。「えっ、こんな短期間に決定かできたの!あんなに長い間、安全性を問われ続けて来たのに!」

 もちろん、この決定は福島原発の事故があったからこそなのですが、決定を聞いて逆に拍子抜けしたのも事実です。

 「だったら、他の原発もそうしようよ」と。もっと言えば「本当は厳密に考えれば、もともといらなかったんじゃないの?」と、思わざるを得ません。

 今さら言っても仕方がないことですが、地震の前に気がついてほしかった、と悔しいこと限りない。あまりにも重要なことを、さらっと言われると逆に悔しさが増したりするのです。

 話題のレベルがあまりにも違いすぎますが、禁煙に成功した人が「僕は苦しくもなんともなかったよ。気がついたらやめてたんだよ。君も大丈夫だよ」

 こういうアドバイスほど、腹立たしいことはないのにも似て。

 食中毒の事件の解説にも驚きました。生肉は、実は法律的には流通していないことになっていただなんて。今までおいしく食べてたのは、たまたま安全第一の業者さんのトリミングのおかげで、無事だったけど、国としては認めてはいないので、もしなんかあったら、それは自已責任でお願いします、国は知ってるけど、知らなかったことになっていますので、そこのところよろしくお願いします、ってことだったということですか。すこいですね。こんな凄いことが、ワイドショーでいとも簡単に明かされていくのです。

 きっとこの他にもひょっとしたら数々の綱渡りのような状態をいっぱい抱えているんでしょうね、この日本という国は。ものすごい事実を知りながら、今日も自分にできること。わずかな節電と落語会の主催者やお客様とともにこしらえた義援金を、コツコツ送り続ける日々です。

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by woody-goody | 2011-05-13 22:31 | 社会

休載です。

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本日は休刊日のため休載です。

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by woody-goody | 2011-05-06 10:14 | 休載


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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