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by woody-goody | 2011-02-25 05:47 | 休載

シーボルト記念館から

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 登録していない番号から携帯電話にかかってくると一瞬ひるみます。おっかなびっくり「もしもし」と応えてみたら、明るい声で「あのー、志の輔さんでしょうか?こちら、シーボルト記念館のオウギウラです」

 「あああ、その節はどうも」

 今年、パルコで一カ月、舞台で語りつづけた新作落語「大河への道」のまくらに登場するほどのエピソードをくれたのがへこの扇浦さんでした。

 去年の10月、伊能忠敬の地図みたさに訪れたそこにいたのが、学芸員らしからぬ陽気な扇浦さん。

 伊能の地図の複写をヨーロッパに持ち出したという罪で国外追放になったシーボルト。それに関わった罪で投獄され獄死した高橋景保。歴史の教科書で名前だけ知ってたシーボルト事件が急に身近に迫りました。

 でも、なんで地図を持ち出そうとした秘密がばれたのかなと疑問を口にすると扇浦さんは言ったのです。

 「それはですね、間宮林蔵がチクったんですよ」

 気さくと言えば気さく、ユーモラスな言い回しに、私は思わず笑ってしまいました。

 間宮林蔵は高橋景保に嫉妬していたという説を、丁寧におもしろおかしく話してくれる扇浦さん。

 その流暢かつ庶民的な話芸は、愛するシーボルトの魅力を毎日観光客に伝えているうちに磨きがかかったようでした。

 もともとは広島で考古学の分野で働いてるうち、あるときシーボルトに多大なる興昧を持ち長崎に移住、記念館の学芸員にまでなってしまったユニークさ。

 さて、電話は続きます。

 「実はいま、記念館に御来場いただいたお客様が、お正月にパルコで志の輔さんの落語を聴かれて、是非行ってみたいわということで大勢でおいでになってるです」

 「そうですか、それはよかった」

 「いま、代わりますんで!」

 「え?代わるって?誰と?」

 応える問もなく

 「あーーー、もしもし、志の輔さんですか?あのー、パルコで伊能忠敬の落語を聴かせてもらった者です。本当に、志の輔さん?」

 「そうです……ありがとう……こざいました」

 「わーーーーーーー」

 電話の向こうから聴こえてくるはしゃぎ声。

 「もしもし、そんなわけでいまのお客さん、大変、喜んでくれました。それではまた」

 面白すぎる扇浦さん!

 きっと、シーボルトがこの人を選んだんだ、と思わされました。

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by woody-goody | 2011-02-18 07:02 | 社会

タイの優しい3日間

 タイのバンコクでの全日空寄席公演から帰国しました。今年で3年目になります。羽田空港から夜中の12時過ぎに出発となると、その時間ぎりぎりまでパルコの後始末やらラジオの録音やら仕事をこなし、ものの40分くらいで羽田国際線に到着。成田と違いあっという間に着いたので拍子抜けしました。

 できたてのターミナルには斬新な店舗が並び、出発気分を盛り上げてくれます。

 時間さえあれば、寄りたいショップが盛りだくさん。でもね、成田空港よりは控えめへ本家本元の成田よりでしゃばりませんとバランスをとってるかのようでした。

 夜中の12時遇ぎに出発、朝の6時半にはバンコクに着いていました。

 現在、バンコクについて言えば、羽田と成田と含わせて1日3往復、余裕の日帰りができるスケジュールです。

 落語のマクラで一言いました。

 「こんなに簡単に日帰りができるのなら、バンコクのあなた方が東京に来ればよかったのに」なあんてね。

 空港で迎えてくれた全日空のスタッフは「今年の冬のバンコクは例年に比べて冷え込んでまして」。

 でも日中は気温32度。どこが冷え込みだ!と突っ込みたくなる暑さ。

 あわただしくいろんな日本の方々にお会いしました。落語会スタッフ、コミュニティーぺ-パーやラジオ局へ日本企業の駐在員の方々。

 その方たちから聞いた話ですが、いま、タイには新たな種類の日本人が増えているという事実でした。

 旅行者でもなく、優雅な年金暮らしの老人でもなく、就職難の日本で就職できず、とりあえずタイに来て、一時的に暮らしている学生や元学生の増加だそうで。

 なにしろ物価が安く、治安もよく、初めての旅行者にも優しいタイ。

 ワイドショーのコメンテーター気分で言えば「単なる現実からの逃避でなければよいのが……」。

 なんて見方もあるでしょうが、現地のタイでこの話を聞くと、それはそれでいい方法だよなーと思えるから不思議です。

 信心深く、賛沢を言わず、争いことを好まないタイ人が醸し出す東洋的ケセラケセラムードは、人を癒やしてくれます。

 日本国内でイライラするより、若い時に異国の国民性に触れた時間は、きっとその後にプラスになるはずです。

 もちろん、実際にタイで暮らしている人たちからは、「そんなに甘いもんじゃないよ」と言われそうですが。

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by woody-goody | 2011-02-11 17:22 | 列島各地

伊能マップに導かれ

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 6年目に入ったパルコ一カ月公演が無事終了いたしました。

 今回は、今までとかなり趣が変わったものになりました。

 三つのコーナーがあったのですが、最後の新作は「落語」というよりへ長年、私が思い続けていた世界をつなげていったら「こんなんできました」的な一席となり、しめて1時間半という驚異的な長さで、全体で3時間公演の毎日。聴いてくださったお客様もへお疲れさまでした。

 伊能忠敬にまつわる物語、新作「大河への道」が可能になったのは、実に多くの方の協力と偶然が幸いしました。

 いつか自分のライブで使いたいと思い続けていて、35年前に秋葉原の石丸電気で買ったサディスティック・ミカ・バンドのレコード「黒船」。

 4年前、、干葉の落語会に出かけて寄った佐原の「伊能忠敬記念館」。

 平均寿命50歳の時代に、55歳から日本の全体を知りたいと北海道から種子島まで歩き続けた伊能忠敬。

 地図という概念がなかった江戸時代に、伊能の頭には漠然とながら思い描かれていたのであろう日本列島。

 伊能が自らの足で歩きまわって出した測量結果を基に、225枚の紙の上に描かれた日本地図を見ることもなくあの世へ旅立った伊能。

 のちにアメリカが近代的な技術を駆使してまとめあげた地図とほぼ合致する映像を記念館でまのあたりにしたとき、鳥肌がたちました。

 伊能忠敬、この男は何者なのだ。

 3年前、テレビで目にしたアメリカのモニュメントバレ~という谷の空撮。自分が烏になって飛んでいるかのような不思議な浮遊感と飛行感覚。これを撮影したのは、矢野建夫さんという方で、2001年に世界で初めてモーターパラグライダーとハイビジョンカメラを使い、振動や不快な揺れをなくした超低空飛行撮影を可能にした第一人者だったのです。

 これが舞台で使えたら。落語家からの突然の願いを快諾してくださり、舞台のエンディング映像になりました。

 今回のテーマも決まらぬまま設計された舞台美術の青は、まるで高座を包んでいるかのように、はてしなく続く海を思わせました。

 なんだかジグソーパズルが、全てはまった時のような快感でした。伊能忠敬にも見てもらいたかったなあ。

 さあ、そんな私は今から、海を越えて遠くタイのバンコク公演へ向かいます。今度は、どんな偶然が待っているのでしょう。

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by woody-goody | 2011-02-04 06:16 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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