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カーナビ心得

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 さあ、パルコ一カ月公演も残すところ1週間になりました。最後まで声が出ますように、と祈りつつ、合間にとれた休みの日には、人と一緒にいるとついしゃべってしまうので、あまりしゃべらなくてもいいゴルフに向かいました。

 ゴルフとなると朝5時にでも起きてしまう自分が我ながら不思議です。6時に迎えの車が来て自宅を出発、三軒茶屋で高速に乗り、千葉へ向かいました。

 初めてのゴルフ場。

 でもカーナビがあるのでなんの心配もありません。

 車の運転をしない人にはカーナビのすごさがわからないかもしれませんが、これってものすごいことなんですよね。

 声を出して、右だ左だと教えてくれるのはあたりまえ、到着時間を予想してくれて、渋滞があった場合は別のルートをすすめてくれ、それがたとえ遠回りだったとしても結果的には、早く着く方法を指南してくれるのです。

 ところがです。

 自宅を出発して20分ほど経ったころ、高速道路の景色に違和感をおぼえました。

 なんか変。

 こんな道あったかな?と不安げな声でつぶやきながら運転する後輩。

 千葉に行きたいのに、車はどんどん埼玉から東北へと向かっているのです。

 実際には高速道路を走っているのに、カーナビ上では一般道を走っていることになっている。

 後輩が言いました。

 「新しい高速道路ができたんですね!」

 もうお気づきでしょうか、そう、後輩の車に搭載されたカーナビは、今となっては古いバージョンなのでした。

 カーナビが今までの家電と違うところは、機能だけじゃ用がなさないときがあるってことなんです。

 炊飯器なら古いタイプでもこ飯は炊けます、古いオーディオ機器でも音は出ます。

 ところが古いカーナビは、中に新しいソフトが入っていないと、あるべき道がないことになる。たとえば、東京湾を横切っているアクアラインという海上の高速は、古いカーナビの画面上では車が海の上を走っているように表示されるのです。

 それも見てみたい気もしますが、それはともかく、走ってる方向が間違っていると気付いても高速道路から降りる出口を自カで探すのが大変、あせりました。後輩は言いました。

 「今度いい仕事にありつ一たら、まず新しいカーナビ買いますよ」いつも車中では眠っている私ですが、ドキドキしたおかげで、いいウォーミングアップになって成績も上々でした。

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by woody-goody | 2011-01-28 18:57 | 体験

デジタルとアナログ

 パルコ一カ月公演、まだ言うか、もうと言うか、とにかく半分が過ぎました。

 ふたをあけてみれば、3本立ての3時間公演になりました。

 我ながらあきれかえる長さです。

 ここまでくれば、スタッフも憤れたとは言え、きっと「家で稽古をしてるときに、どうして時間が計れないんだろう?」と不思議に思ってるに違いありません。

 でもね、稽古してるときと本番はどうしても違うのよね。

 お客様と心でキャッチボールをしているうちに、セリフが増えたり、間が延びたりしてどうしても長くなってしまうんです。

 時間もそうだけど、今回、日が経つにつれて、テーマが鮮明になってきたことに自分でも驚いています。

 「アナログとデジタル」について、映像や古典落語と新作落語、そしてまくらの全体に、結果として、筋が一本通っているような構成になりました。

 そもそも私自身がデジタルとアナログって何が違うんだろうと疑問を持ったことがきっかけでした。

 インターネットで調べてみたところ、情報の多さにめまいがするくらい。専門的に説明されているぺージなど、ちんぷんかんぷん、私には理解不能。

 そんな中で、とてもよくわかるぺ-ジをみつけました。

 デジタルはデータが離散的、アナログはデータが連続的。

 わかりやすく道でたとえると階段がデジタルで、坂がアナログ。服なら、ボタンがデジタルで、ファスナーはアナログ。警楽器ならトランペットがデジタルで、トロンボーンがアナログ。

 じゃんけんは勝ち負けがはっきりしているのでデジタル、とろろのネバネバ感はアナログ、ふうむ、なにかしらわかってきたような気がするぞ。

 今まで古い考え方や行動をアナログと思っていたけれど、それはアナクロと混同した使い道らしいのです。

 デジタル全盛の中にあって、数値化されないぼやあっとした感じでなんとなく物事を理解する人間のアナログ的才能って実はすごいですよね。

 古典落語「だくだく」はアナログの最たるもの。犯罪者と被書者がアナログ的に遊んでしまうのですから。さらにそれを第三者が「3D」に楽しんで、デジタルが最も苦手とする幸せ感みたいなものも味わわせてくれるんです。

 今回いらっしゃれなかった方も、CDやDVDが出ているのでぜひ「だくだく」、聴いてみてください。

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by woody-goody | 2011-01-21 18:53 | 社会

タイガーマスク現象

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 日本列島が連日、寒波に襲われています。

 かと思えば、児童養護施設、こちらにはカンパの嵐。

 タイガーマスクの主人公を名乗る人物によるランドセル寄付のうれしい連鎖現象。

 新設慈悲の輪が広がり、真新しいランドセルを手に「やったー!!」とうれしそうな子供の笑顔が浮かび、寒波で寒いけどカンパニユースにあったかくなってる方も多いことでしょう。

 この広がりをなんとか画面で印象づけようと苦心したワイドショーは、タイガーマスクの本名「伊達直人」と同姓同名の青年を探し出し、インタビューしていました。

 御本人は、年齢を考えると、雑誌もアニメも知らない世代。

 答えるのに窮して「なんだか変な気持ち」と。インタビューのマイクは青年のお母さんにも向けられ「同姓同名なのに、何もしてなくて……」と少し申し訳なさそうに答えていた姿に、「お母さん、そこまで思わなくても」

 と画面に突っ込んでいました。

 昔なら、ネズミ小僧、今ならタイガーマスク。

 ボランティア募集ポスターなら、君もタイガーマスクにならないか?と呼びかければ、今なら効き目がありそう。

 「ランドセル」という響きも、中高年の胸にはぐっときます。

 思い出すのです。

 ぴかぴかのランドセルを手にしたときの胸ふくらむ気分。

 お兄ちゃんやお姉ちゃんに一歩近づいた誇らしい気分。

 これから同い年のたくさんの子供たちと一緒に生活するという、おぼろげながらも社会の一員になる気分。

 どんな子だって、せーの!で一緒にスタートが切れる季節。

 大人になると、格差を恩い知らされ、挫折を繰り返し、今年こそはと思う新年。そんなときに、まっさらだったあの頃を思うのです。

 ランべセル寄付、タイミングいいなあ。

 こんなお金やモノの寄付も嬉しいけど、以前に当コラムでも書きましたが、センター試験が近づくと思い出すのは、間違った新幹線に乗車してしまい、車掌の機転で試験会場にぎりぎり間に合った高校生のニュース、やはり方向違いのバスに乗車した女子中学生が、運転手さんの機転で間に合った話。

 今も、ちょっとしたニュースにならないいい物語がどこかで起こっているはずです。

 できることなら、思わず「悪いニュースは流さない」と決めたくなる年の初めです。

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by woody-goody | 2011-01-14 09:50 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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