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不思議アナウンス


 空港でこのアナウンスを初めて聞いたのはいつだったか、今では慣れましたが、最初は実に不思議な気分がしたものです。

 メモを取っていたわけではないので、多少、不正確なところがあるのはお許しください。

 「○時○分発、羽田発○行きに御搭乗のお客様にお知らせいたします。この便に御搭乗御希望のお客様がいらっしゃいます。もし、遅い便への変更に御協力いただけるお客様がいらっしゃいましたら、カウンターまでお越しくださいませ。なお御協力金として1万円差し上げます」

 つまり、どうしてもこの便に乗りたい人がいるのだけれど満席で無理。なんとかその人と代わってもらえないでしょうか?ついては謝礼を差し上げます、という航空会社からのお願いです。

 想像するに、予約をとりすぎてしまった、いわゆるオーバー'ブッキング。

 どの便に乗るか決めなくてもいいオープンチケツトが増えたことも、原因の一つでしょう。

 もしくは、「コンピューターも筆の誤り」もある?いえ、結局は入力してる人間のあやまりなのですが。
 
 先月、8回飛行機に乗ったうちの2回、この不思議アナウンスを聞きました。

 やはり不景気と関係あるのでしょうか。

 飛行機を空席があるまま飛ぱせたくはない。

 ぎりぎりまで調整が続きます。

 多めにチケットを売ることもあるのでしょう。

 予約がとれていると思ってカウンターで取れてなりとわかった時の落胆と怒り、私にも経験があります。

 なんとか乗れないだろうか、一便遅らせてもいい人が一人いたら、と祈るような気持ち。

 なので、このアナウンスを聞くたびに、自分の席が確保されてはいても、気が気じゃありません。

 チケットと言えぱ、新幹線でこういうこともありました。

 座席に座っていると「あのー、席、間違えていませんか?」と声をかけられ、互いに切符を出し合い、車両番号も席番号もまったく同じ。驚いて車掌さんを呼んで調べてもらったところ、数分たってようやく、相手の人の切符の日付が翌日だったことが判明、苦笑。

 大きなことから小さなことまで、まったく何が起こるかわかりませんね。
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by woody-goody | 2010-11-26 12:01 | 列島各地

パワースポット

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 毎年続けて、今年で16年目になる落語会の会場、戸隠に行ってまいりました。

 以前とは比べ物にならない観光客の多さにびっくりしました。

 そうです、もうお気づきの方もいることでしょう、

 女性週刊誌やテレビでも紹介されている「パワースポット」効果です。

 たしかに、そんな言葉を知らないときから、杉の大木の居並ぷ戸隠に短期間でも滞在すると命の洗濯ができたような気分になっていました。

 新蕎麦も実においしくこれが楽しみで独演会を続けているようなものです。

 先日、遠くへ行かずとも近くにパワースポットを発見。山瀬まみちゃんの番組にゲストで呼んでもらい、ロケで北区にある王子稲荷に行ったのです。「王子の狐」という落語があるくらいですから、昔から庶民の信仰が厚かった場所なのでしよう。

 敷地はそんなに広くないのですが、王子稲荷は関東すべての稲荷神社の総元締めなのだそうです。

 参拝のあと、神殿の裏に回ると「お石様」という立て札がありました。江戸時代から伝わる「願掛け石」があり、願いをしながらこの石を持ち上げたときに「軽い」と感じたなら願いが早くかない、「重い」と感じたなら願いがかなうのに時間がかかるという伝説。

 最初にまみちゃんが持ち上げました。

 苦しげに持ち上げようとしますが、石はびくともしません。

 「いったい、どんな願いをしたの?」と聞くと「石が持ち上がらなかったらいやだから、かなわなくてもいいように、明日二日酔いになりませんように、という軽い願いにしておいた」だって。視聴者を喜ぱせることを知ってる人です。

 さて、私も気合を入れて石に取り組孜ました。なんと、これが簡単に持ち上がる。

 「えっ!軽いじゃない」

 「そうですか?みんな持ち上げてみましたけど、なかなか持ち上がりませんでしたよ」とスタッフ。

 そんなことはないだろうとしゃべりながら再度挑戦。今度はまったくびくともしません。何度やっても重いのなんの。

 最初は、願い事をするのも忘れるくらい集中してたので軽かったみたい。

 「火事場の馬鹿カ」じゃないけれど、要は気合なんですね、きっと。パワーをもらったと信じればほんとにパワーがみなぎる、そういうもんなんです、人間は。それにしてもパワースポットとはいいネーミング。おまいりに行こうと誘われるよりパワースポットヘ行かない?と誘われる方がその気になる現代人。

こりゃ、今年の流行語大賞は、パワースポツトでもいいんじゃないかな。

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by woody-goody | 2010-11-19 22:39 | 社会

弟弟子の訃報

 その日、歯医者を出たとき、訃報が入った。

 耳にした瞬間、いったい何を言われているのかわからなかった。

 ずいぷん年下の弟弟子が、36歳の若さで突然あの世へ旅立ったのです。

 くも膜下出血が彼を襲ったのです。

 入門時期もかなり離れているので、親交があったと言うほどではなかったのですが、私の独演会の際には楽屋を訪れ「勉強させていただきます」と舞台のソデに。

 打ち上げでは大きめの体を小さくして人の話をニコニコ笑いながら聞いていた姿を思い出す。

 36歳と言えぱ、私の場合、がむしゃらに落語にぷつかり、方向を探しあぐね、無我夢中だった時期です。

 彼もさぞや自分なりの落語をつくろうと無我夢中だったんじゃないか。真打ちめざして日夜、落語にどっぷり浸かっていたことでしょう。

 年齢にかかわらず、エンドは突然やってくる。

 訃報を受けたその日、歯医者で私は「睡眠時無呼吸症」を治すべく特別にあつらえたマウスピースを受け取っていました。

 型をとったのが3週間前。時間がかかるのもあたりまえ、だってオーストリアで製作してたんだそうで。

 しかも、ちょうどその日、製作者が偶然来日していて、私の口にマウスピースを装着し、はめ具合を確かめる場に同席してくれたのでした。

 さて、はめてみて、見た目も装着感も完壁。

 しかもその技工士は、その世界では一番優秀とされるオーストリアにヘッドハンティングのような形で引き抜かれた日本人技工士だったのです。

 このマウスピースの特徴は、上あごと下あごがちゃんと分かれていること。なので、装着したままでしゃべることも夜中に水を飲むこともできるのです。

 そんなのあたりまえでしょ、と言われそうですが、いまの日本で保険の効くマウスピースは、上あごと下あごが合わさったタイプしかなく、口を閉じて鼻で息をするしかないのです。

 せっかく作ってもらった、技工士の作品とでも呼びたくなるオリジナルマウスピースに一日も早く慣れ、気道を邪魔していた太りすぎた舌が痩せれぱ、症状が軽くなるらしいので、マウスピース生活が続きます。

 命あっての落語。

 弟子を亡くした師匠談志の落胆と無念は、「ああ、談大無念也。お前は俺の弟子なのだ、バカヤロウ」に集約されています。

 弟弟子の分も落語、生きてるうちに。

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by woody-goody | 2010-11-12 19:44 | 芸能

龍馬の母、現る


 先週から今週にかけて、九州で落語三昧の旅でした。

 まず北九州芸術劇場を初めとして、長崎、博多へと移動。

 どこへいっても、九州全体が「よく来てくれたわね」と言ってくれてるようで、歓迎ムード満点、いつにもまして高座が楽しめました。

 これは北海道をまわったときも感じたことなのですが、空港から空港へと点で移動していたのが、鉄道で線の移動をすると、いかに自分が地理を把握していないかに気付きます。

 流れゆく景色と地図を見ながら「そうか、福岡県から長崎県に行くには、必ず佐賀県を通ることになるんだな」と小学生レベルの発見をして感心したり。

 降り立った長崎駅では「龍馬伝」の大きな看板に迎えられ、当然長崎じゅうが「龍馬ブーム」で沸き返っています。

 落語を終え、楽屋で汗を拭いていると、一年ぷりに会う長崎の知り合いが続々と顔を見せてくれました。

 差し入れの中に、紫の風呂敷に包まれた桐の箱を思わせる豪華なブレゼントがあり、蓋には達筆な筆文字で「坂本龍馬」と書いてあります。なんだろう?焼酎のような気もするし、でも持ってみると軽い!この軽さは焼酎じゃない、カステラか?そう言えぱ龍馬がカステラを食べてるシーンを「龍馬伝」で見た覚えがあるなあ、と。

 蓋を開けると、今度は「坂本龍馬」と書いた冊子があり、それを持ち上げ下から出て来たのはインスタントの皿うどんとちゃんぽん麺のセットでした。

 これ、私の大好物。

 でも、このもったいぷり方は、いくらなんでもおおげさすぎるよね、と楽屋にいた他の人たちと大笑いしているところへ、女性が二人入ってきました。

 一人は知り合いだけれど、隣にいる上品できれいな方は存じ上げない。「ようこそいらっしゃいました」と挨拶すれば、知り合いが「こちらは龍馬の母です」と紹介してくれました。

 えっ!と楽屋中に流れる微妙な空気。つぎの瞬間、全員が同時に気付きました。福山雅治さんのお母さん!

 なんでも生で落語を聴いたのは初めてだそうです。

 毎週かかさず「龍馬伝」を観ているせいか、本物の龍馬の母に、自分の落語を聴いてもらったような、不思議な錯覚に陥った長崎の夜でした。
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by woody-goody | 2010-11-05 05:49 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


by woody-goody

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