<   2010年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

名誉タオルソムリエに

d0051179_449875.gif
 全国にはいろんな大使があるもので、私は、故郷富山では「とやま観光大使」、実家のある射水市では「あいの風大使」に任命されています。

 そんな私にまたひとつ、今度は大使ではなくソムリ工なる肩書がつきました。

 毎週司会をしている番組「ためしてガッテン」でタオルを特集、「干す前に、両手で広げ、20回はたくように。そうすることでタオルの糸目が起き、肌触りのいい仕上がりに」という生活ワンポイントアドバイスを放送したところ、落語会で会うお客さんからも役に立ったという声が届き、そんな折、たまたま愛媛県今治市で落語会をした際に「名誉タオルソムリエ」なる称号をいただきました。

 もちろん少々しゃれっぽいものですが。

 聞くところによると、海外から安いタオルが輸入され、日本のタオル業界はひどい打撃を受けました。

 なんとかせねぱと立ち上がったのが、今治市のタオル業界の方々。

 日本のタオルのよさをわかってもらいたいといろんな方法で発信し始めました。

 その一つが「タオルソムリエ資格試験」。

 こちらは真剣な取り組みで、なにげなく使っているタオルに関心をもってもらうための試みです。

 タオルづくりのポイントや良質なタオルヘの理解、値段と質との見極めができるタオルアドバイザーの育成をめざすそうです。

 この世界初の試みは2007年にスタート、現在までに4回実施され、今では600人のソムリエが誕生。

 昔、タオルはぜいたく品の一つでした。

 アイドルタレントが、「私の夢はいろんな色のタオルを浴室の棚にいっぱい並べること!」と言っていたのを聞いたことがあります。

 私自身も、手ぬぐいではなくバスタオルで初めて体をふいたとき、ぜいたく気分を味わったものです。

 そして、かつてはただただ丈夫が取りえだったタオルに、環境、安全、健康、デザインが求められています。

 タオルづくりにおいて環境をそこなう過程がないかどうか、厳しい目が注がれます。

 ここで、先週今治へ落語会に行ったときに聞いた豆知識を名誉タオルソムリエから一つ。

 「水を吸い込みやすいかどうかのタオルの違いはどこにある?」

 「タオルの糸は非常に弱いので、強くするために油のようなものを塗ったものがあり、これは一度や二度の洗濯では落ちず、不愉快な感触の原因になります。ですから、油を使わなくても強く心地いい糸をめざして驀進しているのが今治タオルなんです」とのこと。

 たかがタオル、されどタオル。今治タオルをよろしく。

**********************************************

公式サイト「しのすけコム」へ
 毎日新聞へ
 2005年5月以前の記事へ

 青石銘木店へ(このブログの制作者)
※このブログの制作にあたっては立川志の輔事務所(オフィスほたるいか)ならびに毎日新聞のご了承を頂いています。
[PR]
by woody-goody | 2010-02-26 23:50 | 列島各地

玉置宏館長に御礼

d0051179_5413239.jpg

 定期的にほぼ毎月、落語会を開いてきたのは東京と故郷富山、そして横浜にぎわい座です。

 そのにぎわい座の館長玉置宏さんの詐報を聞いたときは、とにかく驚き、一気にカが抜けました。

 つい一カ月前、この5年間垣例になっている「大晦日カウントダウン落語会」を終えたばかりだったからです。

 横浜にぎわい座芸能ホールに満員のお客様と一緒に「5,4,3,2,1」と唱和が終わり、ラストは館長と私で薬玉のヒモを引っ張り、めでたく2009年を締めくくり、全員で拍手し、笑い合ったばかりだったのに。

 あんなに嬉しそうだったのに。

 毎月の落語会が終わると、にぎわい座近くのお好み屋の2階で開かれる打ち上げ会場、一番奥のテーブルが館長と私の席でした。

 そのとき聞いた貴重な芸談は私の宝物です。

 ときには、秘蔵のテープを「なにかの役に立ててください」と渡してくださり、そのテープにまつわる思い出、当時の演芸界の様子、時代背景をあの玉置節と言われる名調子で話してくださるんですから、この上ない贅沢な時間でした。

 いまでも、嬉しそうに焼酎をちびりちびりと飲む姿が目に浮かびます。

 7年間、毎月のようにお会いして思い出は数々ありますが、一番の感謝は、柄にもなく私が芸術選奨文部科学大臣賞なる身に余る賞をいただいたときに、玉置館長がくださった言葉です。

 「おめでとう。君はね、初めっから寄席に出ない経歴だから、ひょっとして伝統というものの端の方にいるなんて思っていたかもしれないけれど、だとしたらとんでもない思い違いだということを教えてくれた賞なんだよ」

 これほど嬉しいメツセージはありませんでした。

 こんなに私のことをしっかり見ていただいていたと落語の粋、情緒をこよなく愛し、落語界の生き字引だった玉置さんに私の落語を認めてもらえたことは、なにものにも代え難い喜び、大恩人です。

 芸人が参加するどんなパーティーでも、場がどれほどおちゃらけていようと、最後に玉置さんが立ち、一言発しただけで、場がぐんと引き締まりました。

 そのパーティーの趣旨がそこで再確認されるという具合でした。

 ただ面白い会ではなく、その会に参加した者全員がその意義を新たに思い直したものでした。

 司会者とはこういうものか。

 いまごろは向こうで「極楽名人会」とでも銘打ってさぞやあの見事な名調子を披露される支度を始められているのでは。合掌。

**********************************************

公式サイト「しのすけコム」へ
 毎日新聞へ
 2005年5月以前の記事へ

 青石銘木店へ(このブログの制作者)
※このブログの制作にあたっては立川志の輔事務所(オフィスほたるいか)ならびに毎日新聞のご了承を頂いています。
[PR]
by woody-goody | 2010-02-19 05:49 | 芸能

タイトイレ事情

d0051179_5305913.jpg

3年ぷりにバンコクで全日空寄席が開かれ、行ってきました。

成田出発時は気温6度。

フライト6時間ののち、バンコクに着くと36度。なんと30度差です。

こんなでも人間、適応していけるものなんですねえ。

観客とよりも温度差との戦いの方が厳しかった。

東京では客席に外国人が2~3人まじっていることもありますが、ここタイという外国では純粋に日本人ぱかりが相手、なんとも不思議な光景でした。

開演前に、記者会見があり、現地の新聞やフリーぺーパー6社の記者さんから質間攻めに合いました。

 みなさんの高揚した表情から、落語を待ちわびていた様子が見てとれました。

 囲まれた私も、そんなに待たれていたのかと嬉しく、結局1時間半しゃべりっぱなし、落語の前にくたくたになりました。

 以前に比べ、ビルの数も増え、日本の協力を得て道路も整い、おかげでタイの人たちはますます日本が大好きになっている、と女性コーディネーターが教えてくれました。

 こんなタイですが、個人的に非常に困ったこと。それは、当たり前のことながら、洗浄便座がないことです。

 日本でも洗浄便座でないと困る私は、海外に行くときは携帯のものを持参しています。

 アメリカですらなかったので驚きました。

 つくづく、これは清潔好きの日本の発明品なのだと思い知りました。

 タイのトイレ事情を聞いてみると観光客が行きそうなところはすべて水洗トイレだそうですが、高級ホテルをのぞけぱ使用済みのトイレットペーパーを流してはいけないそうです。便器のわきに置いてある屑かごに入れるんだそうな。

 現地フリーぺーパーによれば、いくら水洗トイレでも、日本のように紙を流せる国の方が、少数派なのだそうです。

 「排水パイプが細いから」

 「配管技術が未熟だから」

 「水量不足」などの複合的要因によるものだそうです。

 特に日本の、水に流せるトイレットペーパーの質のよさは驚異的で、あのマドンナも日本と言えぱ「あの温かい便座が懐かしい」と言ったぐらいですから。

 いまでもヨーロッパでは私たちが信じられないような紙を使っているところもあるらしい。

 日本と似た空気が流れ、とてもくつろいだ気分のタイでしたが、トイレに入ったときだけは、「そうだ外国にいたのか」と実感したのでした。

**********************************************

公式サイト「しのすけコム」へ
 毎日新聞へ
 2005年5月以前の記事へ

 青石銘木店へ(このブログの制作者)
※このブログの制作にあたっては立川志の輔事務所(オフィスほたるいか)ならびに毎日新聞のご了承を頂いています。
[PR]
by woody-goody | 2010-02-12 05:31 | 列島各地

キャリーバッグ心得

d0051179_2082515.jpg

 パルコ一カ月公演も無事終了。こ来場の皆様、本当にありがとうこざいました。

 今年の快挙は、雨男の私なのに、期間中一日も雨が降らなかったこと。

 そして、芸能分野のほかに、クラシック界、サッカー界、ゴルフ界、政界から驚くような方々が楽屋を訪れ、励ましてくださいました。

 勇気百倍、感謝感謝。

 あっと言う間に日常にもどり、テレビラジオの収録を終え、今は海外公演のためバンコクにいます。

 一昨年に続き、全日空の機内放送の録音を兼ね、バンコク在住の日本人の皆さんに落語を聴いてもらおうという企画です。

 パスポートを更新、受け取るときに「風邪をひかれたんですか?」。

 心配して親切に声をかけてくれてるんだと思ったら、じっと注がれる妙に強い視線。そっか、本人確認でした。あわててマスクを取りました。

 新しいスーツケースを購入しようと、以前から考えていたキャリーバッグを見に。

 カバン本体についてる取っ手が長く伸び、後ろに転がしながら引くタイブのあれです。

 ころころ転がすので「コロ」とも呼ぱれているようです。

 かさぱる重そうな荷物を楽そうに運んでいる人を見て羨ましかったんですが、空港内で使っている人たちの行動をなにげなく観察していると、他人の迷惑になっている状況を頻繁に目にしました。

 要するに、自分の体が使う面積が後ろに広がってることに気がつかない。つい忘れるんですね。

 エスカレーターに乗る際に、カバンのハンドルを縮めようと急に立ち止まり、後ろの人がつんのめる、もしくは降りるときに自分は降りていても、カバンがエスカレータiにひっかかり、後ろの人がまたつんのめる。

 キャリーバッグを使う時は、子供一人を連れているというくらいの気持ちを忘れないようにしないと上手に使いこなせたい。

 新しいものを持つには新しい意識が必要なんですね。

 さて、私は上手にキャリーバッグ使いこなせるのか、しぱし考え込み、結局、この日は買わずじまいで帰宅しました。

 そもそも取っ手を引っ込めてるのが常態で、いざというときに伸ぱす道具だったのに、伸ばして使うのが常態になってしまっている。

 それに、後ろを気にしすぎて前がおそろかになってもまた危ないし。ああ、便利な物を使うのも、疲れることなのですね。

**********************************************

公式サイト「しのすけコム」へ
 毎日新聞へ
 2005年5月以前の記事へ

 青石銘木店へ(このブログの制作者)
※このブログの制作にあたっては立川志の輔事務所(オフィスほたるいか)ならびに毎日新聞のご了承を頂いています。
[PR]
by woody-goody | 2010-02-05 20:08 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


by woody-goody

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28

カテゴリ

社会
列島各地
体験
政治
芸能
休載

以前の記事

2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月

フォロー中のブログ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧