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by woody-goody | 2009-07-31 04:45 | 休載

皆既日食、見る人、見ない人

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 皆既日食。

 ぜがひでも見たくてスケジュールを調整し、天候によっては見られないかもしれないのに、見られる確率に賭けて、不思議な名前の島まで出かける人、そうまでして別に~というクールな人、この温度差はなに?

 理屈じゃないみたい。

 ふと私の本棚に「この世には二種類の人間がいる」という背表紙が目に入りました。

 中野翠さんのエッセイ集のタイトルでした。

 そうか、そう考えれぱ納得がいきます。

 マニュアルを読む人、読まない人の2種類がいる、たしかに。

 私は読まない部類です。

 取り扱い説明書、いわゆるトリセヅをじっくり読まなきゃ扱えない品物を売る方が悪い、と思う方です。

 使い始めていよいよどうにもならなくなったときに初めて読み出し、そうか、そんな便利な機能もあったのかと驚くタイプです。

 でも中には、あんな分厚い説明書をわくわくしながら読む人がいるらしい。

 同じ状態でも「にぎやか」と感じる人と「うるさい」と感じる人、制服の似合う人と似合わない人、うたう人とひねる人―人を明確に2種類に分けることによって、はたとわかることがいっぱいあります。

 先日、寿命を知りたくない人と知りたい人の2種類がいることを知りました。

 私は知りたくない方なので、知りたい人がいるなんてびっくり。

 知りたい人に言わせれば、わかるならわかった方が後の人生の計画を立てやすい、知りたくない人の気がしれない、というのです。

 言われてみれぱそうだけど、先がわかったら面白くないじゃん。

 こうまで違うか。

 話題の本「1Q84」。

 これには3種類ある。

 読む人と読まない人、そして、買って本棚に置いとく人。いえ、私ですがね。

 混乱する政界を見ていても思います。

 あんなに大変な思いをしてまでどうして政治家になりたいと思うんだろう。

 そうか、政治家になりたい人となりたくない人がいるんだ。そう思えぱ納得がいく。

 行列があるととりあえず並ぶ人と、こ苦労なことでと行列を横目に見て通り過ぎる人。

 でも、この2種類がころっと入れ替わる事もあるんですよね。

 あるときまでは自分がはまるなんて思いもしなかったのに、急にゴルフに熱心になった私。

 中でも嬉しいのは、急に落語にはまって、毎日が楽しくなったという人に会ったときです。

 上手に自分の人生に落語を取り入れれぱこんな楽しいことはないのにと、やってるから言うんじゃないんですが、いえやってるから言うんですが。

 いえ、落語が好きな人1種類だけの世の中になるわけがないと思うから、言うんですけどね。

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by woody-goody | 2009-07-24 20:10 | 社会

大きいことはいいこと

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 その昔、1960年代後半、「大きいことはいいことだ」というテレビコマーシャルがありました。

 「大きい」代表である富士山の前に気球に乗った指揮者の山本直純さんが、かなりオーバーにタクトをふりながら歌ってました。

 大きいチョコレートの宣伝でした。

 たかが嗜好品であるチョコレートにたいそうなメツセージをのせた遊び心が、強い印象を与えました。

 そして現代、まさに、「たかが」どころか金融の大きな柱である銀行が「三菱東京UFJ」という名前になり合併したぱかりか、今度はサントリーとキリンが経営統合をめざすというニュース。

 三菱東京UFJ……それぞれ元の企業への愛着が強く、名前はせめて残したいという気持ちが長い会杜名になりました。

 まるで落語の「寿限無」です。

 こちらは、子供の長寿を願う親心ゆえに、とてつもなく長い名前をつけてしまい、日常生活に支障をきたすという落語。

 どちらもより長生きしたい、させたいという思いは同じ。

 生き残りをかけたビール会社の巨大化で、まず誰もが心配するのは、味はどうなるんだろう、今までと同じように買えるのかな、「キリンサンください」とか「サンキリある?」とか言うようになるのかな。

 居酒屋で「サントリーキリンアサヒエビスサツポロ3本追加ね」

 「はい、喜んで、エビスキリンサッポロサントリーアサヒ3本追加ですね?」

 「いやちがう、サントリーエビスサ……」

 現代版寿限無居酒屋編の落語ができそうです。

 テレビ番組も長時間スペシャル番組が目立ってきています。

 スポンサーをとるために、巨大化、スペシャル化せざるをえないのでしょう。

 一方で、斎藤さんのトマトとか中村さんのきゅうりとか鈴木さんの桃、というふうに、独自な手法で作られた小さい規模の生産者が安定した企業になりつつあります。

 時代はいま、むしろ、小さいことはいいことだ、の方向にすすんでる気がするのに、あえて巨大化せざるをえない事情が、大企業を追い詰めているのでしょうか。

 大きいことが成功だった時代は過ぎ、いまはむしろ、大きいことが枷になる時代だと思うのですが、そうも言ってられないのは、世界を相手にする時代だからでしょう。

 いまに、合併統合あたりまえ、ガソリンスタンドだって、共同エッソコスモシェルスタンドに。

 ガムは、明治ロッテグリコガムに。

 スーパーマーケットは、イトー丸正ダイエー西友サミツトに。

 もちろん、政党は、自由民主民主共産社民党に。

 ええい、もう、いっそ、日本スタンド、日本ガム、日本スーパー、日本党か。
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by woody-goody | 2009-07-17 05:34 | 社会

暗闇の贅沢

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 闇というと、心の闇というふうに悪い意味で紹介されがちですが、いまここで闇についてじっくり考えてみようという兆しが出てきました。

 8日タ刊の特集記事「闇ブーム」を興昧深く読みました。

 暗闇のお寺で食事を楽しむ「暗闇ごはん」、わずかなろうそくの光のテーブルで生演奏を聴きながら食事をする「暗闇カフェ」。

 赤坂にある「クラヤミ食堂」を発案したのは、広告代理店のこどもごころ製作所だそうです。

 私たちは、明るさに慣れきっています。

 闇がないためにバランスを崩しかけている精神もそこここに。

 実は4年前に、このブームの発端となったドイツ生まれのイベント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」体験しました。

 7人ーグループで、視覚障書者の女性に案内してもらいながら真っ暗闇をたどたどしく突き進みます。

 当初は、視覚が使えない不安がこれほどとは、と思いました。

 頼りは案内人の声だけです。

 草を踏みしめる自分や他人の足音、壁を伝う手のひらの感触、草の匂い、今まで気付かなかった感覚が鋭
敏になり、違う世界が見えて来ます。

 体の中で眠っていた感覚が総動員される喜び。

 はっきり言って、豊かになった気分が私を包み込みました。

 最後のバーにたどりついたとき案内人から尋ねられました。

 「暗闇に入ってから何分くらい経ったと思いますか?」

 「だいたい20分くらいですかね」

 「45分です」

 いやあ、驚きました。

 視覚がないことが、時間感覚にこれほどまでに影響するなんて。

 ゆっくり流れる時間。

 一つの時間になにかが凝縮されている。

 声や気配から察すると、どうも円になって座っているらしいみんなに、やはり視覚障害者のバーテンダーが注文を聞き、ビールやワインやジュースをこぼさずに注いでくれたのには、本当に驚きました。

 闇でかわしあった声のあたたかさ。

 心情がダイレクトに伝わるのです。

 明るい場所へ出て、案内人とかわした握手。

 すでに私の手のひらはいままでと明らかに違い、研ぎすまされていました。

 そうなんだ、日常生活において私たちは、視覚以外の感覚に、あきらかに障害を持っている。

 便利を代償、本来持つ一てた感覚を次々に手放している私たち。

 この夏は、暗闇の賛沢を味わいませんか。
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by woody-goody | 2009-07-10 06:30 | 社会

夏休みは、もう一つの日本発見

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 一度、はとバスに乗ってみたい。

 いえ、日本人向けのはとバスには、番組レポーターとして仕事で乗った事があるんです。

 私が参加したいのは、外国人向けはとバス。

 自分でどこにでも自由に行けるはずの東京を、わざわざあらかじめ決められたコースで、少人数の団体の一人としてともに行動する奇妙な体験。

 しかもまわりがすべて、外国人の観光客だったら、面白いだろうなあ。

 外国人はどこへ案内され、どこでお土産を買うのでしょう。

 どこかにあるに違いない

 総合土産物売り場。そこには外国人が喜びそうなお土産がそろっているのでしょうね。

 私たちには見えない、外から見たもうひとつの日本を発見することができるに違いありません。

 この夏休みは、節約も兼ねて海外旅行は諦め、子供たちと一緒に外国人向けはとバスに乗ってみるってのは?

 でも日本人は乗れないのかしら?

 こんなことを思いついたのは、20万部を突破したという「日本人の知らない日本語」という本がとても面白かったからです。

 日本語学校で教師をしている著者にぷつけられる外国人の鋭い質間には舌を巻きますよ。

 「年齢を書くときのへ歳と才はどう違うの?」

 これは私にもわかりませーん。

 「そういう質問をするなら、あなた、立って言いなさい」

 「た!」

 これなど、落語のマクラに使わせてもらいたいくらいです。

 「教えていただけますかへと、教えてくださいませんか?の違いは?」

 「さしつかえなけれぱ、と、おそれいりますが、の違いは?」

 こんなの、弟子から聞かれたら師匠として答えようがなく困ってしまいます。

 微妙な違いをどう説明すればいいのか悩んでいるそのときに、「スプーンの日本語名は?」と質問されて頭が真っ白になる著者。

 さじ、がとっさには出て来ない。これ、すでに日本の若者でも知らないんじゃないの。

 留学生が母国に持って帰りたい土産物の数々がかわいい。

 「ウォシュレツト」

 「おたま立て」

 「洗濯ネット」

 「兜」

 「神社の狛犬」

 わざと狙ってるんじゃないの、とツッコミたくもなりますが、極めつけは

 「食品サンプル」

 たしかに、いい仕事してますよね、笛に浮いたスパゲッティや、つついたら今にも黄身がこぽれ落ちそうな目玉焼きなど。

 読んでるとなぜかこれ、ストレス解消になるんです。

 いつもと違う脳の回路を刺激するのにもってこい。

 ぜひ一読を。

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by woody-goody | 2009-07-03 05:42 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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