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石井、柔道も笑いも金メダル

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 石井、柔道も笑いも金メダル地位があがるにつれて、人は思っていることが言えなくなるという法則があります。

 それもそのはず、付ぎ合う人の数も種類も増えると、あれやこれや言う人も増え、そのたびに注意され、言っていい事と悪い事の区別がつかなくなり、面倒だからあたりさわりのないことだけを口にするようになります。

 麻生新内閣について有識者たちがきまりきった発言をしているのを聞いていると、まあ、そらそうだけど、それは誰しも思っていることでなにもわざわざ言われなくても、と物足りなくなってくる。

 その点、北京オリンピック柔道金メダリストの石井慧君の、なにかにつけての発言が実に面白かった。

 私にとって一服の清涼剤でした。

 先日も、本人役で初めてテレビに出演することになり、収録後の記者会見で感想を聞かれ
「自己採点では80から90ですね。もうひとつ役になりきれなかった」って。金メダルをとって祝福される本人の役なのに。面白すぎる。芸人でもなかなかこうは言えない。

 金メダル祝賀会で福田前総理に会い握手した後の感想を記者団から聞かれた際には「腹黒くなかった。だから人気がないのかなあ」さすが勝負師、一瞬で相手の気を読み取るのでしょう。

 福田首椙退陣後は「僕は握手をすれば相手のすべてがわかる。うすうすこうなることと思っていた。

 ドヒャー。

 なにか面白いことが聞けるはずと期待してマイクを向けるマスコミを、期待に違わず喜ぱせてくれるそのエンターテインメント性。

 市民栄誉賞授与を打診さ,れると

 「(受賞のために)練習を休むぐらいなら、いらない」

 言えないよな、普通。

 私が感心した極めつけは、母校へ凱旋し、朝礼で生徒たちになにか一言と求められて石井が言い放った言葉。

 「人生を生きて行くにあたって、いくつかのアドバイスをしたいと思います。絶対に(借金の)保
証人にならないでください」

 生徒も大爆笑。たしかに具体的で大切なアドバイスだが朝礼で言うか?金メダリストが。

 が、彼の言葉には「場」をひっくり返す力がある。

 柔道で、相手の力をはぐらかし、自分の力を何倍にも効かせる技を学んだんだと私は確信し表す。

 笑いも気合。

 石井発言を聞く機会がないのが寂しいこのごろです。


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by woody-goody | 2008-09-26 05:49 | 社会

金は天下のまわりもの

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 地球はひとつ、というのをひたひたと感じます。

 いい意味でも地球はひとつだけれど、悪い意味でも地球はひとつ。

 アメリカがクシャミをすれぱ日本が風邪をひく、どころかアメリカの大手保険会社が下痢をすれぱ世界の経済が水分不足で重体になる。それを見越して、被害を最小限に食いとめるべく米連邦準備制度理事会が決めた緊急融資。融資の元は税金。

 よくよく考えてみれば実体のない貨幣、それを運用してもし失敗したら、その企業の損失を肩代わりしましょうという金融派生商品を扱っていた保険会杜が失敗。波及を恐れて見過ごしにはできず2年の期限付きで管理下に置くことにしたアメリカ政府。

 あちこちで数字が躍り、大変だ大変だと騒ぐものの、いったい何が一番悪かっだのか、金が金を保証すること自体に無理があるんでしょうけどねえ。

 分不相応に無理な保険事業を拡大した結果、税金によって救われるのかあ、と思いながら、これに似通った落語を思い出しました。

 落語「持参金」。

 知り合いの番頭から借金の催促をされ困っていた男のところへ、嫁を世話しようという仲人が現れました。器量は悪いしすでに身ごもっているけれど、この嫁をもらうと持参金がついてくるという話に。これで返済のめどがたつと、男はその女を嫁にもらうことを即決。が、嫁は今晩のうちにくることになったものの持参金はのちほどということになった。

 そこへ、さっきの番頭がまた借金の催促に現れた。なぜ急に金が入り用になったかといえば、実は店の女中といい仲になり、はらませてしまった、ついては金をつけて嫁にやりたいんだ、と言う。

 え、ちょっと待てよ、ひょっとして俺の嫁さんになるはずの女は、番頭がはらませた女?してみると、それについてくるはずの持参金は、自分が返す予定になっているお金。番頭、仲人、自分と入るはずのお金を待っている3人。ただぐるぐる回っている、いや、回るはずのお金。

 「金は天下のまわりもの」とのんきなオチがつく落語ですが、金自体が商品になっている現代では、事態は深刻です。。微々たる金ではありますが、個々人が払った金がどこでなにをしてるやら、逆に大きな負債をしょって返ってこないとも限らない。

 落語の男のように鷹揚にはなれない私たちです。


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by woody-goody | 2008-09-19 05:39 | 社会

1時間に80ミリって?

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 今年の各地のゲリラ豪雨一のすごさときたら。

 ゲリラという名に恥じない、いきなりやってくる洪水にも似ています。

 先月末も、熱海-小田原間の新幹線が不通になった朝、東京駅に着くと、そこにはテレビでよく見る光景が繰り広げられていました。

 怒号が飛び交い、詰め寄られて困り顔の駅員さん。グリーン券をにぎりしめ、なぜ今日急いで新幹線に乗らなきゃいけないかを説明する人。急ぐなら自由席で立っていくしかない状況なのですが、俺はグリーン券を持っているんだ、と言い張るお客さん。気持ちはわかる。どこへも持っていきどころのないいらだちが目の前の駅員にぷつけられます。

 午前10時発に乗りたくても、午前8時発にさえ乗れないでいる人たちがたまりにたまっているので、当然ホームはあふれかえっています。

 結局、運よく3時間遅れで出発した新幹線に飛び乗り、落語会開演ぎりぎりに楽屋入り。

 「天災」という落語にもある通り、腹を立ててもしょうがないのですが、人間、そうはいきません。

 そこで、予測される雨量を発表するときに使われるミリという単位がよくないんじゃないかと考えました。

 「1時間に80ミリの雨が降る模様で、充分な注意が必要です」と言われてもその凄さがピンときません。

 直径20センチの円筒形雨量計に1時間に何ミリたまったかが基準になっているらしいのですが、その雨量計が想像しづらいのです。

 中華屋の棚で見かけるようなタケノコ水煮缶くらいかしら?

 昔の赤ちゃん用の粉ミルクの缶くらいかしら?

 そうだとしてもそこに雨がたまっていく様と実際の感じがつながらないのです。

 たとえば、1時間で風呂に何センチたまっていくか、とか、ペットボトル何本分たまるかとかの方が、わかりやすい。

 傘をさそうかどうしようか迷うほど、とか、傘をさしても下半身が濡れるほどとか、ワイパーを使っても前が見えません、とか体感に即した単位で発表してもらうと、危機感も増すと思うのですが。

 80ミリです!と言われても、へえ、そうなのかで終わってしまいます。

 そうだ、気象予報士は、新しい単位を考案するとか、淡々と数字を伝えるだけじゃなく、雨の凄さによって間と調子と表情で補うとかは?

 ミリバールをヘクトパスカルに変えたことより、雨量の単位のほうが大事のような気がするんだけど。
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by woody-goody | 2008-09-12 05:24 | 社会

「歓喜の歌」がTVドラマに

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 全国から落語独演会で呼ぱれ、あちこち出かけた折、受け入れ側の対応の違いにとまどうことが多々ありました。楽屋へ主催者の方があいさつにみえ、話すうち、不思議なことになんとなくお客様の顔が見えてくる。

 心底、お客様に喜んでもらいたくて会を催しているのか、通り一遍に義務感でたまたま主催することになってしまったのか、が肌に伝わってくるのです。

 そんな、ただただ職務として会館を貸すスケジュールを埋めているだけの人たちが、もしダブルブッキングをしたらどうなるんだろう、というのが新作落語「歓喜の歌」を作ったきっかけでした。

 いっそ、最後にママさんコーラスを舞台にあげちゃおう、となり、前代未聞の落語公演になりました。

 するとこの落語をDVDにしようという人が現れ、さらに映画に、という話にまで発展。あれよあれよという間に作品が独り歩きし始めました。

 そして、このたび、北海道テレビ開局40周年記念スペシャルドラマとして放送されることになりました。

 手塩にかけられ成長した我が子を見る思いで、放送前の番組を見ました。

 映画の喜劇タッチとはまたひと味違う、心にずしんと響くドラマになっていました。

 それでいて、役者陣がリアルに演じる上品な笑いが随所に顔を出し、思わず噴き出す場面が何度も。

 職場ではぱかにされ続けて来たいいかげん男が、厳しい生活の中で必死に歌うママさんコーラス隊の姿に接し、徐々に変化していく様を大泉洋さんが好演。夫に支えられ、けなげに歌う余命いくぱくもないコーラス隊リーダーを田中裕子さんが自然に演じ、やはり歌を生きがいにしている指揮者を大滝秀治さんが重厚かつ軽快な演技で締め、脇の役者さんも日常性を大切に、おおげさにならない演技でユーモア度を高め、それこそ涙と感動の物語になっていました。今回、プロデュースや演出にかかわった、いつもは軽いタッチで笑いふんだんの人気番組「水曜どうでしょう」スタッフのチームワークのよさにも感心。

 ラストは、大泉洋さん演じる主任の策略にしてやられた市長も一緒に喜び合う後味のいいドラマ。

 落語台本と、テレビドラマ台本の違いが勉強にもなりましたし、きめ細やかな演出にもうなりました。

 これはもうぜひ、みなさんに見てもらわねぱ。今度の日曜(7日)午後2時から、テレビ朝日で放送されます。

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by woody-goody | 2008-09-05 22:45 | 芸能


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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