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「Live、失敗の魅力」

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 北京オリンピツク終了後も、総集編など後追いニュースで祭りの興奮いまだ冷めやらずの一適間です。

 チャン・イーモー監督が演出した開会式、閉会式には、驚きも感動もあり、大いに楽しませてもらいました。

 スタジアムにいる観客とテレビで見ている世界の観客を同時に楽しませようという苦労は、一昔前では考えられませんでした。

 空撮の花火の足跡がスタジアムに近づいてくるなんて。

 後から、一部が事前に撮影済みの映像だったと聞いても、感動は薄れませんでした。

 だって、感動しちゃった後だもん。

 ライブは、その瞬間が命です。

 世界的規模のライブって凄いなあ、と余韻に浸る間もなく、スポーツ紙の片隅に「シドニーオリンピツクでも〃ロパク"」の記事が。

 北京開会式でロパクだった少女のことを引き合いに出した見出しの記事。

 実は2000年のシドニー五輪の開会式で、国歌などを伴奏したシドニー交響楽団が実際にはまったく演奏しておらず、他の楽団の演奏録音テープを流していたことが判明。

 「世界中の視線が集まるのだから、失敗しないよう、あらゆる手段をとるのは当然だ」

 と言われれぱ、分からないでもないのだが、でも、ライブって失敗がつきものですよ。

 少女や楽団が失敗するのでは、と心配するのであれば、聖火の火をつける人の、ワイヤが何かにひっかかったり、コードー本の故障で照明がダウンしてしまったりってことだってあり得る
わけで、そっちの方がよほど心配。きりがありません。

 照明や音響は機械だから間違いないが、人間の歌や演奏は間違えるかもしれないから、というのはどうなんでしょう。

 早い話が、たとえ間違えたって、感動するときは感動するよ、ってことを声を大にして言いたい。

 ぜひとも伝えたいという気持ちが伝わりさえすれば、感動を呼ぷんです。

 だって、こうでも言わないと、毎晩、あちこちでやってる落語ライブに、怖くて向かっていけません。

 規模はまるで違うけれど、私にとっては毎日のライブは、録画録音なしのぷっつけ本番ですから。

 だからこそ、私も気力がわくのです。

 失敗ぷくみの生ライブのよさは、何ものにも代え難い魅力があるんです、見る側にとっても、見せる側にとっても。

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by woody-goody | 2008-08-29 05:43 | 社会

今週は休載です。

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今週は休載です。8月29日から再開します。

管理人:青石伸一郎

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by woody-goody | 2008-08-08 04:57 | 休載

懐かしい氷柱

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 温暖化を防ぐごく簡単で手短な打ち水作戦が始まっています。

 「打ち水」いいですねえ、懐かしい、人と人が見えてくる。

 エアコンの温度設定を高めに、というよりヒューマンな感じがする。

 暑い、涼しいは人間が主体になっていることなので、実際の数字より、人が感じる数字、体感温度が一番大切です。

 残り水を一斉にみんなで打ち水すれば温度が低くなるという研究者の試算を確かめるべく始まった打ち水運動。水が豊富な日本だからこその夏の習憤です。

 8年間、通い続けている長野県のある町で、夏には一度も落語会をやったことがないのは、会場である公民館にエアコンがないからなのでした。

 落語の演目は季節に即して作られたものがほとんどなので、当然、夏にやってこそいい噺がたくさんあります。

 高座からもそんなことを言ってみたりしておりました。

 と、朗報。

 「志の輔さんが高座で言ってくれたおかげで、公民館にエアコンが入りましたよ」

 おお。

 ところが、楽屋入りした私に主催者が申し訳なさそうに言うには「ごめんなさい、謝らなきゃいけないことがあります。エアコンを入れたけど、利かないんです」。

 突貫工事のようにつけたエアコンは、400人満員の状態に十分対応できなかったようで、スタッフがあわてて一生懸命とってくれた方法が、氷柱でした。

 会場の一番前、左右に2本、そして楽屋に1本。それでも会場はうだるような暑さです。

 はっきり言ってとても落語をやれる状態ではないくらい。私がそうなら、お客さんだって汗だくです。

 なのに、誰一人として不満を言う人もなく、席を立つ人もなく、休憩をはさんで2時間の独演会は終わりました。

 今までもいろんな主催者に感謝してきましたが、これほど思いのこもった対応は初めてです。

 それで思い出したのは、小学生のころ、富山の実家の近くの体育館で催された大物演歌歌手コンサート。

 むろんエアコンなどありません。ステージには大きな氷柱が歌手のそばに立っていました。

 全国には立派すぎるホールが山のように建設されている一方、近代的な設備を完備できず、それでも頑張っている公民館やスタッフがいることを知り、まだまだ日本は捨てたものじゃないと、涼しい思いで打ち上げの酒に舌鼓を打ったのでした。
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by woody-goody | 2008-08-01 05:59 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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