<   2007年 11月 ( 5 )   > この月の画像一覧

伊能忠敬の血を引くキャディーさん

d0051179_637993.jpg

 50歳を越えて日本全国の地図をつくろうと旅に出た中高年の星、伊能忠敬は、ウオーキングの元祖とも言えるでしよう。一

 この人で落語がつくれないかなと思って、千葉県佐原市にある伊能忠敬記念館まで出かけました。

 高速「佐原」の出口には「地図の町、佐原」の看板があり、街には、ゆったりした空気が流れ、昔の建物がきちんと保存され、江戸情緒があふれていました。

 記念館の入り口には、現在の航空地図と伊能の地図がオーバーラップされた画面があり、いかに伊能地図が正確であったかを思い知らされます。

 浦賀に黒船が来る何十年も前に「大日本沿岸地図」を完成させ、「この国の測量をしてやるよ」とやってきたイギリス人を驚倦させ、この国はあなどれんと思わせた、という逸話を聞くと同じ日本人として誇らしくなりました。

 そんな折り、こんなニュースが飛び込んできました。

 女子ゴルフLPGAツアー選手権リコー杯で大逆転優勝した瞬間、古閑美保さんがまっさきに喜びを分かち合ったのはキャディーの伊能恵子さん。

 変わった名前にあれ?と。

 そうです、伊能忠敬の子孫。

 その血をひいてか、歩測のプロ。

 試合の前日、プレーヤーと一緒にラウンドして、あらゆる場所からピン(ホール)までの距離はもとより、いろんな場合を想定して必要になりそうな距離を歩いて計り、伊能メモを作成。プレーヤーの強い昧方になるキャディーさん。

 この方が、あるゴルフ関連ホームページで語ったところによると、歩測には自信あるけど、計算を間違えることがしばしば、しかも印の単位である50ヤードを間違える、と笑わせてくれます。

 一度でいいからこんな方と一緒に回れぱ私のスコアもあがるかも、と考えるのはキャディーさんに寄りかかりすぎだよなあ。

 さて、伊能落語の方は、頓挫しています。

 というのも、そもそも地球の大きさを知りたいという科学的好奇心から日本を歩き始めたという伊能忠敬の人生と偉業は、とても堅実にして壮大で、落語に仕立てるのがむずかしくて……。

 忠敬の子孫である記念館前の喫茶店主も「生真面目な人だから、大河ドラマになるタイプではないですよねえ」。.

 そうかもしれないと悩む日々です。

**********************************************

公式サイト「しのすけコム」へ
 毎日新聞へ
 2005年5月以前の記事へ

 青石銘木店へ(このブログの制作者)
※このブログの制作にあたっては立川志の輔事務所(オフィスほたるいか)ならびに毎日新聞のご了承を頂いています。
[PR]
by woody-goody | 2007-11-30 06:40

原作者の歓喜とおろおろ

d0051179_7133069.jpg


 舞台には何度も立って来ましたが、もとい、何度も座っては来ましたが、こんな体験ははじめでした。

 試写会に集まった2000人のお客様を前にして、映画の原作者として舞台に立つなんて。

 そばには、松岡錠司監督、俳優の小林薫さん、安田成美さんらが。

 司会者から「御挨拶を」とうながされても、落語のマクラと違って、何をしゃべればいいものやら頭の中が真っ白になってしまいました。

 用意していた言葉もすべて飛び、言えたのは一つ、養子に出した子供が心配で、そっと学校まで覗きに行ったら、なんと子供は校長先生になっていた!そんな気持ちです、とそのままの心境を比喩で言ったら、かえってわかりにくくなっちゃって。

 私が創った落語「歓喜の歌」のタイトルもそのままに映画になるなんて、瓢箪から駒のような話で、もうこの事実だけで私にとっては、もはやカンヌのグランプリ受賞なのです。

 さて、原作者という立場で客席に座り、お客様と一緒に映画を見る、こんなとき私は、どんな反応をすればいいのか。

 すでにスタッフの試写会で見ている私。

 原作者がここで笑うの?こんなところで泣くの?と、まわりの人たちに思われやしないか、と思ってやしないか、と思われるのでは、といちいちややこしく自意識過剰気味になり、一人で勝手に
疲れてしまいました。

 が、上映が終わったときには、落語とは別次元の感動が湧き起こり、誰気にすることなくおもいっきり泣き笑っていました。

 そして、改めて、言葉の芸である落語との違いに気付きました。

 落語は、登場人物の短い台詞の中に、その人がいまいる位置、まわりとの関係性、生き方みたいなものまでを集約して表現し、なおかつ観客に具体的な人物像を観客の数だけ思い描く自由を与えます。

 映画は、監督の意図する世界を映像画面に定着させていく総合芸術。そのために美術から出演者から音楽からすべてに具体的指示を出していかねばなりません。

 たった一人で高座に上がる落語家から見れば、気が遠くなるようなたくさんの人たちに、ことこまかな指示を与えていく監督という作業。かかわる人の数も、観る人の数も半端じゃない。ついに、来年の2月2日全国一斉ロードショーが始まります。

 1月3日から渋谷パルコで志の輔らくご一カ月公演を先に行いますが、そこでは毎日、原作落語「歓喜の歌」を高座にかけます。

 聞いて、観る、落語と映画の違いを確認できるまたとないチャンスを、どうぞお見逃しなく。

**********************************************

  公式サイト「しのすけコム」へ
 毎日新聞へ
 2005年5月以前の記事へ

 青石銘木店へ(このブログの制作者)
※このブログの制作にあたっては立川志の輔事務所(オフィスほたるいか)ならびに毎日新聞のご了承を頂いています。
[PR]
by woody-goody | 2007-11-23 08:43 | 芸能

UFOと米大統領選


d0051179_622056.jpg
 アメリカで突如、UFO問題がクローズアップされているとか。

 空軍パイロットの経験をもつ元アリゾナ州知事は、97年にUFOを目撃したそうで、アメリカ政府にUFOの調査を再開するよう要請。

 次期大統領候補もUFOを目撃したと、候補者討論会で発言。

 なんでこの時期に?

 4年前に読んだ記事を思い出しました。

 大統領選が近づくと必ずUFO問題が持ち上がり、それには理由がある、と。

 あれほど広大な地域にあれほどの雑多な人種が住み、生活レベルも違えば思想も違うそんな人々をまとめるには、仮想敵を作るのが一番手っ取り早い。

 そこで、世界の具体的な国名をあげれば、ある種の人たちの票はとれても、ある種の人たちの票はとれなくなる。

 はたしてどんな価値観をもつのか、いるのかいないのか、暖昧模糊とした存在を敵視もしくは不思議の対象として掲げ、みなの心を一つにするには、UFOは恰好の素材だということです。

 国の安全は、国に住む者みんなが望むこと。反対のしようがない。

 こうして安全確保という錦の御旗の下に、国防費が増えていく。

 私は、UFOに関して特別な意見は持ち合わせてはいなくて、漠然とこんなふうに考えています。

 他の惑星に生命体がいるとすれば、そろそろ地球とコンタクトをとりに来るんじゃないか。いや、高度な飛行船を作れるような賢い生命体なら、ちょっと覗いてみただけで、地球とは付き合わない方がいいと判断するんじゃないか。

 やっかいな問題をたくさん抱え込んだややこしい地球を一瞬に理解する利口な生命体は、面倒なことにはかかわりたくないから、すぐにどっかへ飛んでってしまうんじゃないか。でも少しは気になるからときどき様子を見に来てるんだろう。

 選挙戦を有利にするべくUFOを種にするなんて、笑止千万とカンラカラカラ空の彼方で笑っているかも。

 今朝の新聞は、アメリカが北朝鮮への態度を軟化させたと報じています。

 さあ、そうなると着々と次なる一手を考えている北の国のことが浮かびます。

 賢い生命体よ、いい解決法があれば、なんらかの方法で教えてよ。
[PR]
by woody-goody | 2007-11-16 06:02 | 社会

長崎の出島体験

d0051179_75867.jpg


 旅暮らしが続きます。

 とは言っても、落語会付きの旅なので、「毎週のようにいろんなところへ行けていいねえ」と羨まれるようなことは、実はないのです。

 新幹線や飛行機で現地に着き、ホールヘ直行、落語をやってその日もしくは一泊して朝一番の飛行機でもどるというスケジュールがほとんどなので、どこへ出かけても、ホールもしくはホテルの印象しかないという、これを旅と言ったら旅に悪いような、情けない旅、いえ単なる移動なのです。

 先日、5年前に行った長崎で再び落語会をやることになり、さて、前回行った長崎の印象がなにも思い出せず、これではいかんと、今回は、たとえ寝不足でも、朝一番の飛行機に乗り、市内見物をしてからホールに入ろうと決めました。

 朝10時にはすでに長崎市内にいました。

 まずは平和公園へ。毎年8月9日の慰霊祭でテレビ画面に映る公園の映像、あの中にいま自分がいるのだと思うと感慨深いものがありました。

 原爆記念館に入ると、外国人の多さに驚きます。

 「日本人より外国人の方がじっくり長く見ていかれるような気がしますね」とは案内係の方の証言です。

 出口付近に展示されていた世界の核の分布図を見ると、実に多くの国が核を保有しつつ、お互いを牽制しながら、表向きは核廃絶を唱えている、という理不尽な事実に気付かされます。

 長年行って見たいと思っていた「出島」は、実際の跡地の上に再現されていました。

 地図で見るよりはるかに狭い印象でしたが、整然と復元された場所なのに不思議と外国のにおいがしました。

 私の好物、皿うどんを「グラバー邸」入り口近くの中華料理店でいただきました。

 針のように揚げられた麺にとろりとのせられた野菜が口の中で溶け合い、なんとも美味。.

 でも連れて行ってくれた夫婦の奥さんは「まあ、そこそこね。それぞれの家の味があるからねえ」

 自分の家では、あそこ店で買う麺じゃなきゃダメ、いうほどにこだわって皿うどんを作ってるそうな。

 「グラバー邸」からは湾を一望できます。

 明治の時代に、ここから長崎全体を見下ろし、時代をつめ、日本に多大な影響を与えた外国人。いまの長崎、日本につながる歴史の一端を肌で感じることができました。

 その日の落語会は、私がかの地にわずかでもとけ込めたようで、気分よくはじけたライブになりました。

 やっぱり落語会の前は現地を見物できるスケジュールを組まないとね、と確信した長崎の夜でした。
[PR]
by woody-goody | 2007-11-09 06:54 | 列島各地

学力テスト1位、秋田県の秘密

d0051179_1932187.jpg

 小学生に学カテストをして孜たら、秋田県が第1位。

 油断していた隙を突かれたような感じです。

 漠然とではありますが、学力なら情報量の多い都会か、そうじゃなけれぱ長野県か富山県だとなんとなく思っていたんです。

 この秋田1位のニュースを、偽装だらけで、身近な商品に信用がおけなくなる暗いニュースが続く中、明るくもっていこうとワイドショーが苦心していました。

 なぜ秋田県が第1位だったのか?

 これはきっと「きりたんぽ」が頭にいいんじゃないか?

 家族全員が鍋を囲み、今日あったことを話し合う。日々の会話の積み重ねがコミュニケーション能カを高める。

 コミュニケーション能力とは、相手の話を理解する能力。

 つまりテストの設問の狙いをしっかり理解できる読解力の向上につながり、しゃべることは、話の要点をまとめ相手にわかりやすく伝える構成カと表現力が培われることになる。

 いや、「きりたんぽ」もそうだけど、秋田の年中行事「なまはげ」も重要な要素ではないかとワイドショーは言います。

 「泣く子はいねがー」と怖いお面をかぷって各家を訪問するなまはげ体験を持つ子供たち。

 「親のいうことをきかない子はいねーかー」

 「ピーマン食べない子はいねーかー」

 なまはげに怒られないようにしないと、と言う小さいころの体験が、規律正しい生活習慣を身につけさせているのではないか。

 秋田に住む友人が冗談で言うには、悪い点数をとると、答案用紙になまはげハンコがどかんと押されるのだとか。

 先月は5ナマハゲだったけど、今月は3ナマハゲに減ってよかったなあ、なにお前け100ナマハゲなの!先生に口答えしたんだろ、というのが学校帰りにする友達同士の会話だそうです。まさか。親のお手伝いをしぷっていると「なまはげがくるよー」と叱られて育つ子供たちは「勉強しなさい」と言われれば、なまはげ怖さに素直に従うのかも。

 ガッテン。

 けど、地元の子供たちがインタビューに答えていたのぱ「遊びに行くところがあまりないから、うちで予習復習をするからかなあ」

 ガッテン、ガッテン。

 よくおわかりで。こういう自己分析ができる賢明なところ、やはり、なまはげが影饗していると、おじさんは思ろがなあ。

 その方が面白いしね。
[PR]
by woody-goody | 2007-11-02 19:13 | 列島各地


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


by woody-goody

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

カテゴリ

社会
列島各地
体験
政治
芸能
休載

以前の記事

2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月

フォロー中のブログ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧