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「腰痛の夏、痛さガッテン」


 一カ月前から、腰に鈍い痛みは感じていました。

 いつもなら自然に治っていたのが、今度ばかりはそうはいきませんでした。

 腰の痛みに加え、足の軽い痺れ、そして目覚めの激痛。

 さあ、そうなるとイライラして集中力がなくなり、立っていれば座りたい、座れば立ちたい、寝ているとむしょうに起きあがりたい、起きあがればすぐに横になりたい、これの繰り返し。要するに一つの姿勢を長く続けられない。

 これが高座に座って落語をやっている間は、不思議と目の前のお客さんに神経が集中しているせいで、腰の痛みが忘れられる。

 かと言って、ずっとしゃべり続けているわけにもいかず…。

 親切にも、まわりの人たちはあれこれ教えてくれました。

 実は私も…、実は私の友達が、実は私の親が…、と腰の痛みで苦しんだ体験をもつ人のなんと多いことよ。

 すすめてもらう治療法には、大きく分けて2タイプあり、一つは西洋医学の整形外科、もう一つは東洋医学の整体や鐵灸。

 鐵灸はちょっびり苦手なので、まずは整体へ。

 這うように来た患者が歩いて帰って行った、という話を仲間からも聞き、私もそうなればと祈りつつ行きましたが、残念ながら一回でそうはなりませんでした。

 いったい私の体はどうなっているのか、MRIで骨の状況を調べるべきだというまわりの忠告に従い、整形外科へ行きました。あっという間に出てきた画像を前に先生は一言いました。

 「外側型椎間板ヘルニアですね。ちょっと珍しいですね。特徴は…」

 「特徴は?」

 「痛みが強いことです」

 わお。とほほのほ。

 今は注射と1日3回の薬でその場の痛みをだまして切り抜けていますが、憂鰺なのはなかなか元通りにはならないだろう、慢性こなる可能性も高いという診断です。

 この事実を整体の先生に報告すると「そうですか、やはり椎間板ヘルニアでしたか。でも元通りになる可能性は充分あります。がんばりましょう。

 このありがたい言葉をただただ信じて通院中。自分が司会をしている科学番組も再度見直しながら、今度腰の特集をやる時があったら、今度は体験者として、ああも言おうこうも言おうと、経験者だから言える一言葉が浮かんできます。

 東洋と西洋、両方の医学に頼りながら、一段落したら、今度こそ根本の筋力を鍛えるべく体を動かさねば、と固く固く誓っている私です。

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by woody-goody | 2007-07-27 05:58 | 体験

私と息子の熱い夏

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 大銀座落語祭が無事終わりました。

 裏で動いてくれたスタッフ、関係者のみなさん、そしてなによりお越し下さったみなさん、ありがとうこざいました。

 おかげさまで、今年で4年目、5日間に拡大された落語大イベントを楽しく終えることができました。「六人の会」の一人として御礼申し上げます。

 おおげさでなく、開演前から盛り上がっている会場はまるでブロードウェイのようでした。

 早々に売り切れたチケットを入手、そこに座っていられる幸せをまずは喜んでいるお客様の熱気と興奮が、舞台の袖にいる私にも伝わってきました。

 そんな空気に後押しされて、たった20分の英語落語の稽古に一ヶ月かけ、終わってしまえばすべて忘れてるという、思えば非生産的な行為もこの大銀座落語祭だからこそ。

 不思議な満足感の余韻が今も続いています。

 特に今回の大銀座落語祭は私にとっていつもとは違う味わいのある祭り期間となりました。

 というのも、今年は一人息子の高校野球最後の年と重なったのです。

 夏の甲子園地区予選大会の予定が14日。

 早朝5時起きで準備をするのですが、御存知、台風の影響で、延期が決定。16日さらに17日へずれこみました。やきもきしながら私の頭の中には英語と野球が渦巻いていました。

 試合当日は、あいにく私のレギュラー番組の収録です。

 なんとか少しでも観ようと球場まで後輩と出かけました。

 連日の雨で最悪のコンディションであろうマウンドにピッチャーとしてあがる我が息子の姿が、小雨にまぶしく光って見えました。

 白熱した試合は、予定の時間をはるかにオーバー。

 後ろ髪を引かれる思いで、後輩にビデオを託し車に乗り込みました。後輩から携帯電話に逐一報告される試台状況。私の気持ちは息子と同じ球場にありました。

 僅差で試合が続行している……息子の勇姿が目に浮かび、熱いものが頬をつたっておりました。

 負けた、という報告。ベンチで泣いているであろう息子。

 小学生の頃から野球三昧、ついにこれで最後の野球。さぞや勝ちたかったことだろう。でも、ひいきめでなく、息子は父の想像以上によく投げた、よく打った、要所要所で試合を盛り上げていた。父として誇らしく、本人に面と向かっては言えなかったけれど、ありがとう、なのです。

 高校野球のアナウンサーとしてなら「彼の野球の最後の夏は終わりました」と言うのでしょうが、「青年に向かっての第一歩が始まっていました」と、父としての言葉が浮かびました。

 父もまた何かの第一歩、頑張らねば。
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by woody-goody | 2007-07-20 06:03 | 体験

富山で「宝塚BOYS」

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 舞台が終わり、客席のあちこちからはスタンディングオベーション、熱狂的な拍手が舞台を讃えています。

 私の目に思わずじんわり溢れる涙。

 私は、舞台じゃなく客席にいました。

 場所は、富山です。

 知りあいの落語家が、高座ではなく役者として出演していました。

 その公演の名は「宝塚BOYS」

 出演していたのは、柳家花緑クン。

 富山は私のふるさと。

 お芝居の内容は、終戦直後、ほんのわずかの間、実際に存在した宝塚男子部の物語です。

 応募で集まった六人の男子たちの舞台への憧れ、期待に反してなかなか実現しない舞台、焦りと不安。

 結局、男子部は廃部になってしまい、残念な結末に客席はしんみり。

 が、まだこの先公演があるのでここにくわしく書くわけにはいきませんが、この後、演出家鈴木
裕美さんによって素晴らしい舞台が用意されていました。

 で、さきほどのスタンディングオベーションになるわけなのです。

 終演後、楽屋に花緑クンを訪ね、お客としての感動を伝えると「今日まで五ケ所まわってきましたが今日が最高の気分でした。富山のお客さんは最高ですね」と、言ってくれて私も最高の気分でした。

 その夜二人で飲んだ酒のうまかったこと。

 自分が舞台に出ていると、当然見逃す舞台が多くなり、悔しい思いがストレスになったりもしま
すが、うまい具合にスケジュールがとれ、椅子に深くもたれかかり、人が作り出す時問と空間に身をまかせられた時は至福の瞬間です。

 感動したり、嫉妬したり、時にはガッカリしたり。

 何にしても舞台は一期一会の賛沢な時間。

 今回、束京公演はスケジュールがどうしても合わず、富山の仕事へ向かう折り、ぎりぎり開演に間に合ったのは幸運でした。

 後方の席に座ると会場全体が見渡せます。圧倒的に女性の多い客席。

 芝居の内容も気にかかりますが、富山の人たちに喜んでもらえるかどうか、と気持ちは主催者側になり、またお客の反応に反応する出演者側の気持ちにもなり、お客の気持ちにもなり。

 さまざまな思いを交錯させ、ふるさと富山での初めての観劇体験。

 昔は感動を体で表すのが苦手だった富山県民が、手拍子、万雷の拍手で舞台に応え、そのまっただなかにいる私。しかもその舞台に知りあいの落語家が出ている……そしてその仲間に富山のお客をほめてもらえた、客席側で得難い嬉しい体験でした。
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by woody-goody | 2007-07-13 05:57 | 芸能

英語版「時そば」

 また今年も大銀座落語祭の季節がやってきました。

 私は、普通の落語と(普通の落語という言い方もおかしいのですが)、もう一つ、去年に引き続き英語落語をやる予定です。

 去年、えらい大変な思いをして「お菊の皿」をなんとかやりきり、もうこんな苦労はイヤ、と思ったくせに、今年は「時そば」英語バージョンに挑戦して四苦八苦している自分がいます。

 だいたい、基本的に英語ができるわけじゃない私が、大島希巳江さんという大学の教授に英語に訳してもらい、まったく記号として発音イントネーションを覚え、落語を披露するのです。

 本番に向かって記弓としての英語を丸暗記しながら、ずっと私の頭の中で繰り返し鳴り響くのは「こんなことして何になるんだ」というつぶやきです。

 そもそも落語というのは、日本語であるからこそ成立している、という持論を展開してきた私。

 自分はアイ、貴方はユー、これが全て事足りる英語と違い、私、僕、俺、おいら、自分、お前、あなた、そちら様、貴様、てめえ、野郎、と、時と場所に応じて使い分ける日本語は、会話を聞いているだけで、登場人物の関係性が把握できるのです。

 これはすごいことですよね。

 大半が会話によって成り立っている落語は、この日本語の特性に負うところ大なのです。

 それをわざわざ英語でやる必要があるのかどうか。

 面白いことに、英語でけいこをしていると日本語がよりわかるようになるのです。

 「時そば」の中に出てくる「ごちそうさま」は実話ではない表現だそうで、ま、直訳すれば「お腹いっぱいになった、もう食べられません、おいしかった」になるのでしょうが、伝えたいニュアンスが伝わらず結局「ゴチソウサマ」と言うしかないのです。

 あるいは、蕎麦屋にやってきた変な客がひとりで妄想世界に入り込み気味悪くブツブツしゃべりはじめ、それに対して、もう聞きたくない、かんべんしての意味を込めて「お客様、ゆるしてください」とギャグとして叫んで笑いを誘う場面があるのですが、このように意味なくあやまる習慣は英語圏の人には絶対にないため、はてさて……。

苦しくも楽しい闘いが続きます。
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by woody-goody | 2007-07-06 10:31 | 芸能


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


by woody-goody

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