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一緒に悩んでくれる医者

 特に歯のどこが痛いというわけでもなかったのですが、口の中が多少べたべたして気持ちが悪かったので、歯医者に行きました。

 この先生の説明の素晴らしかったこと。

 「口の中には菌がいます。虫歯菌と歯周病菌。この二つの菌のバランスが面白いのです。

 人によって、どちらかが圧倒的に多いのです。

 小さいころからよく虫歯になった人は虫歯菌がとっても多いけれど、歯周病菌は少ない。
 
 逆に、歯もろくに磨かないのに虫歯にならないという人は歯周病菌をたくさん持ってる。

 あなたは、きっと、後者ですね。」

 なるほど。

 最後に「あなたが現在持っている歯を1本でも多く残すことに協力しましょう」と言われ、はたと気付きました。

 そうか、おれの歯だったんだ、と再認識させてもらい、歯に対する自覚が芽生えました。

 医者は、こと歯医者に関して言えば、ある程度の年齢になってくると、治療というより歯を残していくために必要なところ、と考えるべきなのですね。

 また、こんなこともありました。

 先日、ずいぶん前に買ったレコードプレーヤーがゴロゴロ言い出しました。
 
 モーターの音が耳障りで、音楽を聴いていても気になってしょうがありません。

 修理を頼もうと思っても、また面倒がられるのだろうな、買い替えを勧められるか、と危倶しながら電話をかけてみました。

 すると、その応対の素晴らしかったこと。

 プレーヤーの型番を聞き、症状を聞き、いろんな場台を想定して答えてくれます。

 オーディオをほんとに愛し大事に思ってくれてる人との会話は、最初の心配はどこへやら、素晴らしいオーディオのお医者さんに会ったうな気がしました。

 なんでこんなにさわやかな気持ちになるのか、つらつら考えてみるに、一緒に悩んでくれるってことでしょうか。

 私の歯、私のオーディオを、人ことではなく自分のことのように思ってくれる。

 悩みを共有してもらえることのありがたさ。

 子供たちから「なぜ人を殺してはいけないの?」「なぜ自殺はいけないの?」と問われた先生が、いろんな答えをしてみた結果、一番効いたのよ、「君たちの家族や友達が悲しむから」だったそうです。具体的な両親や友達の顔を思い浮かべたのでしょう。

 なににしろ、まずはそういう人たちがまわりにいる美しい日本にしないと始まらない.のだけれど。
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by woody-goody | 2006-09-29 22:41 | 体験

同い年の自民総裁

 今までいろんなコメントを求められたことがあったけれど、先日の朝の電話には驚いた。

 「安倍晋三さんが、おそらく自民党総裁になるだろうから、コメントをいただきたい」

 「なんで私なんですか?」

 予想されるのは、落語家として、もしくはガッテンの司会者としてのコメント……と思いきや、記者さんの一言にエッ!

 「同じ昭和29年生まれですから」

 寝ぼけ眼をカッと見開きましたね。

 そう言えば、3年前、自民党の幹事長に就任のニュースのときも「自分と同年齢の幹事長が誕生したのか」と感慨深かったのを思い出しました。

 それが今回は、一国の総理になるのですから。
 
 自分と同い年の人間が日本を動かし始めることへの驚き。

 小さいころ、町内はおじいさんおばあさん、おじさんおばさんでいっぱいでした。

 ましてやテレビに出てくる政治家と言えば、当然自分より年上ばかり。違う世界の人たちが日本を動かしていると思っていました。

 その癖がいまだに抜けず。

 それが、今回のコメント依頼でくずれました。

 初の戦後生まれの総裁。
 
 同じ時期の日本を生きてきた同級生。

 体形もほぽ同じ。

 安倍氏は成蹊大学、私は明治大学、安倍氏はアーチェリー、私はテニス、安倍氏は神戸製鋼、私は広告代理店。安倍氏が酒タバコはやらず、私は両方大好き。

 共通点は、好きな食べ物が焼き肉とラーメン、というくらいか。

 選挙公約に「美しい日本」というキャッチフレーズがありました。

 たしかに、子供時代の30年代の日本は美しかった気がします。

 景色も人の付き合い方も。

 同じ年の生まれという共通点だけで、今までの歴代の総裁にはまったく感じなかった親近感がわいてきました。

 さあ、これからどういうやり方で「美しい日本」をつくっていくのか、注目していきますよ。

 はっきり意見も言わせていただきますよ。

 頑張ってください、日本のために。

 私は落語界のことで精いっぱいですが。

 そうそう、冒頭の取材コメントで何を言ったのかは、通信社を通じて全国配信されるとのことなので、どこかで目にしてください、お楽しみに。
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by woody-goody | 2006-09-22 22:07 | 政治

飲んだら乗るな

 毎日、後悔につぐ後悔です。

 後悔できるのは人間だけなんだから、と自分を慰めてはみても、この積み重ねに終わりはないようです。

 昨日なんで寝る前にラーメンを食べちゃったんだろう、なんで目覚まし時計をセットしておかなかったんだろう、なんでタバコがやめられないんだろう、なんであんな一言を言ってしまったんだろう、なんであんな服を買っちゃったんだろう、なんでできもしない約束をしてしまったんだろう、なんでもっと勉強しておかなかったんだろう、なんでもっと落語をけいこしておかなかったんだろう、などなど。

 そしてなんで後悔が多いんだろうと、後悔することにまた後悔し、その後悔はおかしいとまた後悔したり、とどまることを知りません。

 お客さまなら、なんでもっと落語を早く聞かなかったんだろう、なんでもっと早く予約しておかなかったんだろう、なんで会場に入る前に携帯電話のスイッチをオフにしでおかなかったんだろう、っていうのありますよね?

 ここまで列挙したのはまだ立ち直れる後悔ですが、アルコールを飲んで車を運転、人をひいてしまった、という後悔は取り返しがつきません。

 オレだけは大丈車というおごりがどこかにきっとあったのでしょう。
 
 飲酒運転の怖さを知る慎重な富山県人の間では、飲んだらお金を払って運転をたのむ代行というシステムがいきわたっています。

 飲む人も安心して飲み、飲ませる人も安心して飲ませ店の売り上げも伸び、代行を請け負った会社もうれしいという一石三鳥システム。

 飲酒運転事故の頻発に、もはや人には頼っていられないとばかりに日産が取り組み始めたのは、アルコール検知機能を搭載した自動車の開発です。

 運転席に取り付けたストローのような管に運転する人が息を吹き込み、一定濃度以上のアルコールが検知されるとエンジンがスタートしないとか、酩酊状態だと正確に打ち込めないように、ケタ数の多い暗証番号を設定してエンジンがかからないようにする、などなど、いやいや考えてくれます。でも、これとて、意識のあるうちの話。よほど飲んでるときは、息を吹き込まなそうだし、そのときに備えてエンジンのそばに暗証番号をはっておきそうだし。

 いっそ、飲んだ人は車のエンジンがかからないようなアルコールでも発明しますか。

 しかし、いったいそれを誰が飲むんだー。

 やっぱり、飲んだら乗るな、乗らせるな、同乗するな、が取り返しのつかない後悔を産まないための最善の策なんですね。
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by woody-goody | 2006-09-15 17:01 | 社会

領収書を知らない子供たち

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 領収書をください、と頼んでも「エッ?」ときょとんとする若者によく出会うようになりました。

 そうか、今はレシート全盛、レジでの精算はお財布携帯に移行しつつある現代ですからしょうがないと言えばしょうがない。

 そう言えば私が初めて領収書を書いたのは、20代前半、会計事務所でアルバイトをしたときでした。

 そんなことでもなければ若いときに領収書を発行する立場にはならないですもんねえ。
 
 先日、名古屋で落語公演前にスタッフのパンを買いに出かけ、領収書を頼むと、若い男性店員は予想どおりリョウシュウショという耳慣れぬ言葉にとまどいの表情を浮かべ、隣で接客中の先輩女性店員に聞いていました。

 「リョウシュウショって言われたんですけど……」 「引き出しに入っているわよ」と言われ、あちこち引き出しをあけるのに2分、その後、「どうやって書くんですか?」「そこにお客さんの名前を書くのよ」

 私に「お名前は?」と聞いて書いてくれたのはいいのですが、金額の前につける円マークが書けない。

 見かねた先輩が「英語のYに横棒2本」と教えましたが、すでに金額を書いてしまっていたので、書き足せず1枚破棄。今度は円マークから書き始めました。

 「よし、いいぞ、その調子」と心の中で応援していると、金額の千円単位の個所につける点を百円単位の個所につけてしまいました。

 先輩から書き直しを命じられ2枚目破棄。

 ようやく完成された領収書を渡してくれようとしたその瞬間、店のハンコが押してないことをみつけた先輩が再注意。

 ここで、若者は領収書の意味がわかってないことを確認。

 さあ、後は店名ハンコだけだぞ、あと一歩、と祈る私。

 領収書にハンコを押しつける若者。いいぞ、位置よ-し。

 ところが、スタンフのインクをつけずに押したので薄くて店名見えず。今度は自分で気付いてスタンプにハンコを押しつけた後に再度挑戦。が、インクをつけすぎたため店名がにじんで見えず。でも、それをありがたく頂きました。

 しめて10分。

 これ、なんかに似てるぞ、と思ったら、まさに落語「代書屋」でした。

 履歴書を書くことを職業にしてる代書屋が、履歴書の意味がわかっていない依頼主にいらつきながら「右一行抹消!」と書き直しを続ける落語です。

 こちらは10分どころか…

 私は、右1枚破棄! と口ずさみながら、名古屋のパン屋で現代版代書屋を楽しませてもらいました。

 落語は現代に生きていることを実感した次第です。
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by woody-goody | 2006-09-08 15:51 | 社会

生活ダイエット


 ガソリンの値上がりに伴い少しでも安いガソリンを手に入れようとみな涙ぐましい努力が続きます。

 規則で最高値段が決められている高速のガソリンスタンドには長蛇の列。

 かつて、たかが10センチほどの積雪で交通がマヒ状態になり、道で滑って転ぷ人、渋滞する車の列のニュースを見ながら富山在住の友達が言った一言(東京弁に翻訳)「なにやってんだろうなあ。こんなときに雪が降ってないときと同じ生活をしようったって無理だっての。雪が降ったら降ったときの生活をしなくちゃ」と。

 この理屈を当てはめると、ガソリン代が高くなったら、そのぷん走る機会を減らせばいいのに、ってことになるんだけど、そうは言ってもねえ。

 いま、チクワを1センチ短くしているメーカーがあるそうです。

 というのは、原油が値上がりする、すると当然石油も値上がり、採算を取るために船を出す回数が減り、全体的に漁獲量が減り、チクワの原料であるすり身が減る、そこでチクワの値上がりを防ぐためにチクワを1センチ短くする。

 以前のオイルショックのときには、納豆を入れる白い発泡スチロールの入れ物の値が上がったため、納豆の値段を上げる代わりに納豆の粒の数を減らすことで苦境を乗り切ったそうです。

 知恵ですねえ。

 消費者が気付かないていどの変更ですむ場合はまだいいのですが、そうもいかない事態が私たちのまわりに押し寄せてきています。

 一度広げた生活を元に戻すのは大変です。

 今でも表を歩くと、放出されるエアコン熱で気持ちの悪い暑さに包まれます。

 で、暑い暑いと言いながら飛び込むコンビニ、電車、銀行、喫茶店。外が暑いのは巾を冷やしているからだといのに。

 メタポリック症候群に悩激ながら、ダイエットをしなくちゃ、と言いながら、食べることはそのままで、運動も甘ず、楽にダイエットする方決を選びがちな私たち。

 生活を伸び縮みさせる能力をどこかに置き忘れてきた私たち。

 生活全体をダイエットしなければどうしようもないところへ来ている地球。

 そこへ、東京がオリンピックの候補地に決定の報。前回の東京オリンピツクでは友達の家にカラーテレビが入った衝撃的な体験がありました

 が、さて今度は……?
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by woody-goody | 2006-09-01 22:25 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


by woody-goody

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