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by woody-goody | 2006-03-31 05:32 | 休載

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by woody-goody | 2006-03-24 05:56 | 休載

訛りの効用

 民主党再生のためにやおら登場した渡部垣二さんの会津訊りは、確実に民主党の危機を救っていると思います。

 訛りは国の宝、という言い方がありますが、今回は、訛りは民主党の宝、と言えるかも。

 メール問題で大変な失態を演じた民主党を修復するべく現れた渡部垣三氏が次々にしゃべる言葉は、とりあえず事態を緩めます。

 なにはともあれ傷口に絆創膏を張っておいて治療は後から……。

 有言の豊かさが、発言の内容を凌駕しているのです。

 すでに30年以上東京に住んでいる私も、故郷富山の空港に降り立つやいなや、富山弁が口をついて出て気持ちがゆるみます。

 そこで、東京にいる間はかなり緊張しているのだなあと気付くのです。

 実は、落語の途中でも感情が入りすぎるとあやうく富山弁が出てきそうになったこと数知れず。

 そう言えば、ジャパネットたかたの高田社長の長崎訛り、あれは売り上げにずいぷん貢献しているに違いないと思っています。

 深夜帯からゴールデン帯へ進出していた「マシューズ・ベスト・ヒット・TV」というテレビ番組のコーナー「なまり亭」で、出身地の方言でしゃべるタレントに親近感を感じていたのは私だけではないでしょう。

 今から30年以上前に紀伊國屋ホールで見た、つかこうへいの「熱海殺人事件」にも、こんなセリフがありました。

 「……なんかあるたびに『オイが職工じゃから、オイが職工じゃから』ってシミったれる金ちゃんじゃから、じゃからめんどうなんよ。金ちゃん、なして標準語使わんね。困ったこつあったら、いつも九州弁使ってごまかすとね。そぎゃん金ちゃんじゃから、じゃからねんどうなんよ!」

 東京へ出てきたばかりの私には忘れられないセリフでした。

 東京で禁じ手にしている富山弁をしゃべると開放感に包まれます。

 お客様がみな富山県人だとわかると「お寒い中を、ようこそお越しくださいました」と挨拶するところを「あらー寒いがに、よう来らはった。あんた、気のどくなー」と言うと、お客様も一緒に大笑い、そうなると富山弁で毒舌がどんどん出て来ます。

 「あんな事件を起こしてあの男、馬鹿だね」というところを「あの男、ダラやね」と言うと、一挙に親しみがわいてきます。

 馬鹿でも阿呆でもない、富山の人だけにわかる、私が言いたいことが伝わります。

 愛情のある斬り方ができるのです。

 標準語、あっ、今は共通語と言うらしいですが、意味を同じにしようとして、言葉に付随する大切な來雑物(きょうざつぶつ)もはぎ取ってしまうのですね。

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by woody-goody | 2006-03-17 06:03 | 政治

中古オーディオとPSE

 BSE、やっと覚えたんですよ。で、今度はPSE。

 寝耳に水です、定められたPSEマークのついたシールが張られていない家電中古製品が店頭で販売できなくなるなんて。

 現状はどうなっているのかと、すぐさま札幌の知り合いの中古オーディオ店に電話をしてみました。

 この店でオーディオセットを購入して以来、わからないことがあると電話をかけ、さまざまな知識を御主人から得てずいぷん勉強させてもらいました。

 こういうのが大量販売店にはない良さ。

 30~40年前の古いアンプやスピーカーやプレーヤーを大切に扱ってきたお店です。

 修理に修理を重ね、いい音を求めることを生き甲斐にしてきた御主人。まさに、「もったいない」を地でいく人生です。電話の向こうで御主人は言いました。

 「まだ正確な条例が定まっていないようですが、基本的には漏電を防ぐための法律のようで、電源コードのついていないものは大丈夫ということで、スピーカーは問題ないようです。アンプ類は民間の修理機関に持って行って安全性が確認されたら2000円のPSEマークのついたシールを購入して張り付ければ店頭でも販売できるということらしいんですが、近々東京でこれに関する会合があるので、そこではっきりするでしょう。そしたらまた連絡しますよ」。言えることは、電化製品のゴミは絶対に増えるであろうということ。

 しかし、どう考えても不思議なのは、もったいない精神でリサイクルが見直され、巷でもそんな機運が広まってきてるというのに、ここへきてそれに逆行するかのような電気用品安全法。

 新しい商品をどんどん売るための法律と勘ぐられてもしかたがない。

 古いものを使い回しましょうと一方では言いながら、中古製品を修理して売るのはお金がかかりますというメチャクチャなアンバランス。

 私は個人的には、極論になりましょうが、オーディオは昔の商品の方が質が高かったと思っています。

 売る方も買う方も吟昧に吟昧を重ねて商品を扱っていたような。

 ですから中古オーディオ店は「音の職人の仕事がわかる者たちの魅力的な社交場」なのです。商品に愛情をもち、長持ちさせようと考えている人たちが漏電について考えてないわけがないと思うのです。

 とにかく私が個人的に心配しているのは、電気用品安全法によって、オーディオの名機器が姿を消すのではないかということ。

 オーディオ機器が音質じゃなく、安全かどうかの基準にさらされる時代になろうとはねえ。

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by woody-goody | 2006-03-10 05:45 | 社会

「寿限無」の教え

 いま日本で一番有名な落語はまちがいなく「寿限無(じゅげむ)」でしよう。

 この演目は、落語家に入門して、師匠の世話をしながら落語界のしきたりや基本を学ぷ「見習い」という身分から、初めて人前で落語をしゃべってもいい前座という身分に昇格したときに口憤
らしの意味も込めてよくやる噺(はなし)です。

 柳家花緑クンがこの短いバージョンをNHK教育テレビ「にほんこであそぼ」で「じゅげむじゅげむここうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ……」としゃべると、その心地よさに全国の子供たちがすぐに反応、たちまち広まりました。

 なので、私の弟子がどこかの学校に呼ばれ、この「寿限無」をやると、「あっ、このおじさんも寿限無を知ってるんだ!」と、親近感と同時に尊敬のまなざしを向けられるそうです。

 「寿限無」のおかげで、落語は楽しいものだと認識されたのはとてもありがたいことです。

 ただ、これがインプットされすぎると、刺激のある笑いがほしい中学生や高校生には物足りないらしい。

 落語を、単に「長い名前がついた子供の笑い話」と受け取り、その先へすすんでもらえない。

 この「寿限無」にしたって、そもそもは親が子供の長寿を願うあまり、よさそうな言葉をぜんぷつなげたら長い名前になってしまったという、いわば親の愛情の深さ、もっと言えば「人間の欲」がテーマなんじゃないのかな、と私は思うのです。

 「三菱東京UFJ」なんてまさにそれ。

 元の名前を残したいという愛情と言うか欲と言うかが入り混じってこういうことになってしまうわけです。

 市町村合併、新しい路線につくる新しい駅名、現実にある話です。

 落語はちっとも古くない。

 「帯久」という落語があります。その中で、借りていた百両を返しに来た帯屋久七が、和泉屋の目を盗んでそのまま持ち帰った後、和泉屋が店の者を集めて、どこかに片付けた者がいないかを問いただすときの一場面に「誰か、帯屋さんが持ってきた百両は知らないか?」「きっと亀ど
んが盗んだんです」「定吉、お前亀太郎が盗んだところを見たのか?」「いいえ、でも近ころ金遣いがすこいんです。今朝も焼き芋屋を呼び止めて、大きい芋を三本も買ってるんです。あんな大名みたいな買い物ができるのは……」「ああ、もうわかった。お前に聞いたわたしが悪かっ
た」という台詞。

 あるいは「柳田格之進」という落語の中で、そそっかしい番頭が無くなった金を柳田という武士が持って帰ったのではないか、と疑り、結局はお金がでてきた場面で、「ほら出てきただろう。昔から、七度尋ねて人を疑れ、という言葉もあるだろう。簡単に人を疑ってはいけないよ」という旦那の台詞がある。

 智恵のいっぱい詰まった落語、近ごろのニュースを見ながら改めて「落語は日本人のバイブル」だ、と確認した次第です。

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by woody-goody | 2006-03-03 06:11 | 芸能


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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