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大学でが多い落語界

d0051179_22301522.jpg今や、大学出が当たり前のような時代になりました。

 昔、先輩の落語家はよくこう言ってたものです。

 「近頃は、大学出の弟子がたくさん来るようになりました。落語家なんてね、大学を出てまでやるような商売じゃあありませんよ」

 これで笑いがきました。

 落語家は言うに及ばず、たしかに芸事一般は、年がいかないうちに、理屈が出ないうちに、体に染みこませてしまった方が早く身に着くし、学問は芸事にはあまり必要とされていませんでした。

 かえって邪魔になるくらい。

 そして、さっきの先輩のセリフが出た頃は、大学出という肩書きに大変重みがありました、記憶力もあり、知識も蓄え、勉強もし、大学に入って出たけだから、当然、一般の人よりかしこい、そんなえらい若者が入ってくるようなえらい商売じゃないんですよ、落語家は、という卑下を合めての発言でお客様を笑わせていたのです。

 しかし、現在の落語界は大学出身者の方が多いのではないでしょうか。

 かく言う私も大学出です。

 私も弟子も大学出身。それも筑波大、琉球大、農大、あげくのはてに、アメリカは工ール大学卒業(本当なんですってば)。

 思わず笑ってしまうほどの高学歴。

 自分のことを棚に上げて言うなら、弟子全員、そんなすこい学歴があると感じさせないところがえらいと言えばえらい。

 今や、私立大学の定員割れが加速され、経営難で大変だそうです。

 そりゃそうでしょう、こう少子化になれば。

 でも、考えようによっては、本当の大学の意味が問われるのはこれからです。

 受験に受験するための今までの大学制度は本来的におかしい。

 やれ偏差値だ、六大学だと、ただただ就職有利のための「肩書き」入学は、入る方にも入れる方にも充実感がないのでは。

 合格が目的になり、いざ大学に入るやいなや、もう遊ぷ遊ぶ。

 もちろん私のことです。

 私の場合は、童謡の「どじょうが、お池にはまって、さあ大変」ならぬ「落語にはまって、さあ大変」で、落語研究会通いの日々でした。

 ○○大学中退、というのがかっこいい響きをもったのは、厳しい受験戦争を勝ち抜きやっと入った大学だったからこそ、そこを中退するというのは、よほどの野望を胸に秘めてのことだろう、というのがあり、○○大学申退という人を羨望のまなざしでみつめたりしたものでした。

 実際、中退で世間に出て独自の才能を発揮している方々が多いのです。

 アメリカの大学では、入り口は広く、出口は狭いと言われています。

 日本の大学も、誰でも入れるけど、よほど勉強しないとなかなか卒業できないシステムになれば、本当の意味での大学の姿に近づくのではないでしょうか。

 大学に長く在籍されると、親の金銭的負担が増える。となると、なにがなんでも勉強したい若者だけが大学に行くよう自然淘汰される。

 少ない子供たちで多くの高齢者を支えていかなきゃいけない将来、数は少なくても優秀な青年を育てないと日本は危ないのです。
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by woody-goody | 2005-07-29 22:32 | 芸能

テレビが変わる

d0051179_5503526.jpg テレビの周辺がどんどん変化しています。

 驚いたのは、先日目にしたソニーの雑誌広告。

 「1週間のテレビ番組6チャンネル分のすべての番組を保存することができます」という小さな機械。1週間が経過すると古いもの順に自動的に消去され、新しい番組が追加され録画されるというもの。

 つまり、自分の手元には常に1週間分のすべてのテレビ番組があるということ。

 このままでいくなら、ーカ月分、いや1年分すべてが自宅に保存できるようになるのは時間の問題でしょう。

 これをテレビ番組製作者はどのように考えているのでしょう。

 また、広告業界がいま困っているのは、DVDやHDDに保存する際にCMを飛ばして録画再生する技術ができたことです。

 CMを見たくないときは、その部分だけ早送りする、といった時代ではなくなってきているのです。

 私は元広告制作会社のサラリーマンでしたし、ナレーションを入れる仕事もしていましたし、CM自体が文化だとも思っていますが、飛ばされる文化になろうとは。

 たくさんの番組の製作者が苦労している「CMまたぎ」という手法には涙が出ます。

 CMが流れている間にチャンネルを変えられないように、CM直前に山場をもってきて、CM後には時間を少しもどして番組をさらに盛り上げるという手法。こんなこまめな苦労も、CMを飛ばされたらなんの意味もありません。

 「CMまたぎ」は録画されないような番組にこそ有効であると言えるでしょうか。

 また、大型画面のテレビがバカ売れだとか。

 30型40型などあたりまえ。と、こうなってくると、よく言われるのは、化粧が濃い女優さんには辛い時代、シワやシミを隠しきれなくなる。

 そんなことより、私が大型画面で気になるのは、アナウンサーがニュースプロンプター(原稿表示装置)を使ってしゃべっているときです。アナウンサーに向けられたカメラに伝えるべき原稿が文字で表示されそれを読むというスタイル。これが小さな画面だと気にならなかったのですが、大画面になるとアナウンサーの目が画面の左端から順に上下しながら右へと移動するのがはっきりわかってしまうのです。正確を期すニュースなのでしょうがないことかもしれませんが、職業柄、気になる。

 昔の、机に置かれた原稿を見るためにときどき顔を下に向け、また上へともどす、そのタイミングをどこではかるかという職人芸が懐かしいのです。

 だって、正面を向いてこちらに語りかけている人が、実は間にある原稿を読んでるという状況は、人間の歴史上、なかったことですから。

 アナウンサーの視線の行方が気になると同時に、テレビ制作の視線の行方も気になります。
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by woody-goody | 2005-07-22 05:51 | 社会

世界遺産も楽じゃない

d0051179_5224458.jpg 世界遺産に指定された熊野古道の木に、赤や白のペンキで、世界遺産になったことについての否定的な文字が書かれていたニュースをテレビ画面で見ました。インパクトがあります。業界用語で言えば「絵になる」ニュース。これを見れば誰だって、なんてひどいことをするんだ、人間の風上にもおけない行為だ、景観をそこねる野蛮な行為、という印象が強く残りました。

 しかし、ニュースは続きます。

 なんと、この文字を書いたのは、熊野古道の地主さんだと言うではありませんか。

 ということは、自分たちにとってはかわいい木たちです。

 断腸の思いで書いたに違いない。書かざるを得ないなにか事情があるに違いない。

 要するに、この一帯の木材を売って商売にしたり、そのために道路を整備し、管理もしてきた歴史がある。

 ところが世界遺産に指定されたとたん、保護条例の名の下にさまざまな制約が出てきたというわけです。

 生活に関わる間題、というのもありましょうが、指定されるまでの過程が問題らしい。

 私の故郷富山県にも世界遺産に指定された白川郷・五箇山の合掌造り集落があります。

 指定されたおかげで観光客が増えたのはもちろんのことですが、実際に住んでいる人から悩みもたくさん聞きました。

 観光客が来るので好きなときに洗濯物も干せないとか修理が大変だとか。

 はたから見るほど世界遺産は楽じゃないのです。

 世界遺産に指定された、と聞けば、なんだかとても名誉なことのように思え、すごいな我が富山県、凄いな熊野古道と単純に思いますが、現実には大変なのです。

 で、世界遺産を決めてるユネスコってそもそも何なんだっけ?とたどっていくと、美観を守る、世界平和、といったおおざっぱなイメージがわいてきますが、選ばれた側の現実的困難をよほど加味して考えないと、木にペンキ文字という過激行動が引き起こされる。

 もし、建築物の寄席が世界遺産に指定されたらどうなるだろう?と思わず考えてしまいました。

 「ね、それって金もらえるの?」

 「いや、修繕だとかの経費はこちら持ちらしい。事故があっちゃあいけないから、床が抜けそうになるほどお客を呼んじゃあいけないらしい。笑いを提供して健康増進がはかれるというので指定されたらしいから、あんまり笑いがとれない落語家は舞台にあがっちゃいけないらしいよ」

 「ええ~。だって落語は笑いだけじゃあ、ないだろ?」

 「うん。でも、指定されるときにそういうふうな条件で陳情したらしいよ」

 「俺たちに一言の断りもなくか?」

 「いや、一カ月くらい、楽屋はに張り紙が貼ってあったらしいよ」

 さあ、大変。
 
 どうか、寄席が世界遺産に指定されませんように。
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by woody-goody | 2005-07-15 05:23 | 列島各地

「事故録」という機械

 あの判断ははたして正しかったのだろうか、もっと他にやりようがあったのじゃないか、と時々の判断について思いをめぐらすことはありますが、自分の中ですむことなら、その時の判断が正しかったのだと言えるよう、これから前向きにいこう、とこうなりますが、相手があり、生き死に
がかかわってくるとそうもいきません。

 先日、私の友人が白バイにつかまりました。

 信号無視との名目で罰金5000円、減点処分を受けました。

 しかし、彼は「信号は絶対に黄色だった、と言っても警官は、信号は完全に赤になっていた、と一言い張って、らちがあかない。こっちは急ぎの仕事で言い合う時間もなかったのでサインしてしまったんだけど、今でも信号は絶対に黄色だったと思うんだけどな」と悔しさを顔に滲ませていました。

 この彼に、すぐにでも教えてやりたいすごい機械ができたことを今朝のニュースで知りました。

 タクシーのルームミラーに外向きに装着された小型カメラが、事故が起こったときの前後の時間、運転手が見ていた前景を撮影していて、映像を録画するシステム。

 私が見たテレビ番組で流れていた事故時の再生画像は、それは衝撃的なものでした。

 タクシー運転手が道に転んでいた人を礫いたという容疑で取り調べを受けていたのですが、この録画映像で事実が明らかになりました。

 なんと、実はタクシーの前を走っていたバイクが中央分離帯に激突バイクに乗っていた男がタクシーの前方に飛んできて倒れていた、という事情が明らかになったのです。

 不可抗カな事態が証明されたのです。

 この映像があったおかげで、この運転手、もちろん、罪に間われることはありませんでした。

 現在は一部のタクシーにだけ搭載されている機械のようですが、近い将来、全自動車に搭載してほしいものです。

 事故時の事実が明らかになるのもさることながら、この機械が搭載されているとわかれば、おのずと安全運転になることでしょう。

 法制化ということになれば必ずついてまわるのはプラノバシー間題。

 町に防犯カメラが何台もつけられているのだって気分のいいものではないので、反対も出ましょうが、なんとかうまい具合にこの「事故録」という機械、いい面だけを取り入れるわけにはいかないでしょうか?
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by woody-goody | 2005-07-08 21:00 | 社会

自分をリフォーム

 時代がすすむにしたがって、自分のことなのに自分の力が及ばないことがだんだん多くなってきた気がします。

 認知症の老人を騙したリフォーム悪質業者の場合は、客側に判断能力がないのをいいことに、と実に腹立たしい思いに駆られますが、別に認知症じゃなくても、建築知識のない私らでも似たようなことは起こり得るのではと心配になります。

 2,3年前、我が家にもリフォームを勧めるチラシが頻繁にポストに投げ込まれた時期がありました。

 たいていは、ちらりと目を通してゴミ箱に捨てていたのですが、中に一枚だけ今でも印象に残っているチラシがありました。

 正確ではありませんが、こんな文面でした。「わたくしは○○○というリフォームをする会社の者です。お宅様のお家は、建物自体はしっかりとしており立派なお宅だと思います。ですが、外から見させていただいた専門家としてとても気になる個所がありましたのでお知らせいたします。それは屋根です。かなり傷みがひどい部分があります。このままにしておきますと、いずれ雨漏りなどが起きないともかぎりません。今のうちに修理なさった方が費用も安く済むと思います。御検討なさってはいかがでしょう」

 これは気になりました。なにしろ屋根は見えません。すぐに登って見るというわけにもいきません。
 あ、そう言えば、いま気が付いたけれど、このチラシの主は私の家の屋根に登ったのだろうか……。

 いえ、このチラシを入れた会社の人はプロ中のプロなので、なにか屋根の不具合を外から簡単に察知するコツを知っていたのでしょうか。

 この会社、正しいサジェスチョンをしてくれたのかもわからないのですが、新聞ニュースを見てると疑心暗鬼が募ります。

 建築知識がない分、悔しい思い。

 たとえば結婚式や葬式ならまわりに経験者がいるので相談もできるのですが。

 リフォームしたい業者としてもらう本人の間に入って客観的に質問できる立場の人って必要なものですね。

 そうか、そんなときのために、リフォーム110番ができたのですね。

 しかし、昔なら台風のときなど父親が壁に板を打ち付けたり屋根に登って雨漏りを直したものでした。

 こんな風景は今やコントの世界だけになりました。

 自分の家のことだって、自分のまわりの人間関係だって、自分の子供のことだって、見ず知らずの110番に相談せざるをえない状況になっちゃって。


 そういう時代なのでしょうか。

 自分をリフォームするのが先決かも。
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by woody-goody | 2005-07-01 07:03 | 社会


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


by woody-goody

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