カテゴリ:体験( 24 )

祝!六本木EXシアター

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 今年最後のコラムになりましたが、年末に向けてとてもうれしい気付きがありました。

 毎年、北海道から沖縄まで落語をしていますが、高座に座って明らかにやりやすいホール、やりにくいホールがあるのです。

 その原因はどこにあるんだろう、と考え続けた数十年でした。

 そんな折、先日テレビ朝日が六本木にこしらえた、「EXシアター」のこけら落とし公演に2日間出演。

 プログラムにはビーズ、奥田民生、グレイ、エルビス・コステロ、坂本龍一、細野晴臣、チャーなどなどすごいメンバーの中に『志の輔らくご』が2日間。うっかり見ると、印刷ミスかと思うほどの違和感。

 約1000人収容の完全音楽ホール。天井は筒のように高く抜けて、スタンディングにも対応可能な出入り自由な客席。舞台の間口や奥行きも広く、しゃれたデザイン、できたて独特の何とも言えぬ匂い、さあどんな落語空間ができあがるんだろうと、真新しい楽屋でわくわくしていました。

 ところが、初日は何だか客席との一体感が薄いのです。当然、間合いが狂います。やってて今ひとつ調子が出ない。

 私の体調? 芸の出来の悪さ?

 正直に製作陣にそのことを話し、2日目は客席側にマイクを立ててもらい、モニターからお客様の反応がダイレクトに伝わるようにしてもらいました。

 すると、初日とはまるで違う臨場感が高座の私にも伝わり、いつも以上の盛り上がりの高座に。

 この2日間の違いは何?

 何と打ち上げで、ホールの設計者がじかに私に教えてくれました。

 「私たちは、このホールは大音量のロックミュージックに対応できるように、という注文のもとに設計したため、舞台と客席との良い分離に、一番苦労したんですよ」

 「え?! 良い分離?」

 ようやくわかりました。 簡単に言えば、全国のホールには舞台と客席を一体化させるクラシック音楽タイプと、分断することを目的に設計されたロック音楽タイプがあり、客席の空気が舞台まで上がってこないのは、設計の狙いによる違いが原因だったのです。

 今年最後に落語の神様からもらったプレゼントは、「ホールの音の重要な知識」でした。

 ぜひ来年も「EXシアター」でやろうと思います。

 今回以上に工夫して、よりよき落語空間を目指します。ご期待ください。

 よいお年を!

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by woody-goody | 2013-12-20 11:44 | 体験

ツタンカーメン展

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 全国あちらこちらへ出かける仕事なので「いいなあ、志の輔、お前は。日本中に行けて毎日が旅行みたいなもんだろ」とよく言われるのですが、昭和の時代ならいざ知らず、私に言わせれば交通機関の発達し過ぎた時代、たいがいはすぐに翌日の場所への移動だったり、日帰りだったりで、記憶に残るのは落語会の会場だったホールの印象だけという実態。便利時代の表裏です。

 ところが、先週末は大阪城近くの森ノ宮ホールで4日間連続公演だったおかげで、打ち上げを兼ねて大阪のうまいもんを毎晩いただき、たしかに「大阪は食い倒れの街」だと、あらためて実感。

 あと一つ、東京の皆様より一足お先に体験できた素敵なこと、それは「ツタンカーメン展」です。

 大阪天保山特設ギャラリーは超満員。

 黄金と少年王の真実。

 3300年前の、すべて本物の展示品たち。若くして亡くなった悲運の王、存在すら知られず、が、それゆえに盗掘にもあわず、完全な状態で発見され、世界にセンセーションを巻き起こした少年王。生きた年数、在位期間の短さに比べて、それがゆえに、悠久のときを経て、たくさんの人々の目に触れ、どの王よりも多大な影響を世界中に与えた少年王。肉体が滅びても次の世で生きることを当然のように信じていた人たちが、手助けになるようにひつぎに入れた品々の見事なこと。

 そこから匂いたつのは、品物の価値よりも、来世を信じていた精神です。そのエネルギーが現世で生きる私たちを圧倒するのだと思います。

 実は私は8年ほど前にエジプト旅行をした際にすでに現地でこれらを見ているのです。

 でもあわただしくスケジュールをこなす感覚で正面からツタンカーメンと向き合っていなかったのでしょう。

 今度の感動は、さまざまな体験をし、振り返り、もの思う年齢になったことも関係しているでしょう。出会うべくして出会った再会でした。

 それにしても、一緒に回った大阪の友人がぼやくように言った一言に笑いました。

 「ひとつひとつに値段つけといてくれたら、もっとありがたみがわかるんやけどなあ」

 この原稿を書いてる最中に、入場者数が60万人を超え、会期が7月16日までに延長されたことを知りました。

 その後、いざ、東京へ。

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by woody-goody | 2012-06-01 12:16 | 体験

マツタケまみれの日

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 「打ち上げはマツタケのフルコースですよ」に魅かれて始めた「諏訪後山落語会」も隔年開催で7回目になりました。

 一昨年まではなんと携帯も入らなかった現在住人70人の村に、この日だけは、500人近い観客が落語会めざして駅から1時間かけて車で登って来るのです。

 入り組んだ山道のそこここにぶらさがっているのは落語会会場への案内ボード。一緒に私の大きな顔写真。まるで指名手配のポスターみたい。

 「マツタケ掘りをしてみませんか?」という主催者の初めてのお誘いにのり「やってみましょう!」とふたつ返事。

 これがなかなか大変な作業だったのです。

 シイタケならシイタケ菌を原木に植え付けて栽培されているわけですが、マツタケ菌は未だ発見されていないので、自然に生えているのを掘り出すしかないのです。

 マツタケの産地で有名になった後山では、山の一部をお金を払い契約して、偶然マツタケのあたり年にあたれば大もうけ、はずれれば損をするという、オーナーシステムのようなものもあるそうです。

 さて、スニーカーで出かけようとしたら「地下足袋をはいていかないと」と土地の人。

 山に入ってみるとその険しさになるほど地下足袋じゃなきゃ無理。

 単にキノコ採りと侮っていたことを深く反省しました。その上、マツタケはおいそれとはみつかりません。

 ガッカリムードが漂ってきた頃、案内をしてくれてる主催者が「なんとなく、このあたりにありそうな気配ですよ」とつぶやき、ふと見ると松の根方にものすごく大きいマツタケがポツンと生えているではありませんか。寄ってみるとまさしくマツタケの香り。土に指を深く突っ込み、マツタケを抜いて、できた穴はきちんと埋めておきます。後から生えるマツタケのためのエチケットだそうです。

 案内人のサジェスチョンを受けながら次々にマツタケを掘り出す私。気がつけば腰に下げているビクがいっぱいに。

 実は、主催者の方々が前日この山に入り、みつけたマツタケに目印の葉っぱをかぶせておいてくれたのだそうです。私はそれをキャーキャー言いながら、心の中では、こんなに確率よくみつけられるなんて私はマツタケ掘りの天才かもと思っていたんですが。

 さて、今年は当たり年なのかどうか、もう少しあと、季節の終わりに判明するそうです。


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by woody-goody | 2011-09-30 19:45 | 体験

「卒業証書」をもらって

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 何度目かの禁煙生活ですが、もうこれは人生最後の禁煙だと腹をくくって始めたのが去年の11月16日。

 本日でちょうど7ヵ月経ちました。

 ある禁煙推奨機関から「卒煙証書」なるものが送られてきました。

 「卒煙」うまいな、と思いながらも、禁煙はしてるが、まだまだ卒煙までは遠いぞ、と。

 だって、吸いはしないものの四六時中、タバコヘの思いが頭の中にどっかり居座っているからです。

 時々ぼんやりしていたり、体重は7キロ増加。酒量もかなり多くなったような気がします。

 いま一番会いたくない人は「タバコなんか簡単にやめられたよ」「気がついたらやめてたよ」などと言う人たちです。

 何度も禁煙失敗の挫折を繰り返しながら、のべ40年近く吸い続け、一昨年にいたっては、オバマ大統領やキムタクをおさえ、禁煙してほしい文化人ナンバーワンに選ばれ、健康を中心とした科学番組の司会を続けながら、そんなことでいいのか、などと批判もされたのです。

 そんな私がなぜ今回のような気持ちになれたのか、それは、私が勝手に自分の喉の主治医だと決めている先生の、あの日の一言に尽きます。

 この先生、もともとは小児科の有名な先生だったのですが、何年も前に耳鼻咽喉科として開業され、私がまだ文化放送の番組を毎朝担当していたころからのおつきあい、20年以上になります。的確な治療は言うまでもなく、ほんとうに優しく検査してくれて、診断結果も懇切丁寧に説明してくれ大いにガッテンできるのです。

 いつも「少しタバコは控えましょう」というのが、診断や治療の最後に言う決め台詞でした。ところが去年の11月、またまた声が出なくなり、いつもと同じような気持ちで診てもらったら、その時の先生の一言は違いました。

 「志の輔さん、タバコやめるか落語やめるか、どっちかだね」

 えっ、冗談でしょう?と笑いかけた私は今まで見たことのない先生の厳しい表情と声音に凍りつきました。

 声帯がかなりの異常とのこと。この瞬間、人生最後の禁煙が始まったのです。禁煙ストレスは半端じゃない。でもここで止めなかったら……もっと大変なことに。

 禁煙1周年記念11月16日に、カメラを入れて診てもらった結果はまた御報告いたします。

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by woody-goody | 2011-06-17 05:57 | 体験

落語をコピーすると


 落語家に入門する前、私は広告業界にいました。

 そのころの愛読書の一冊が雑誌「宣伝会議」。

 広告業界の専門誌であり、同名の会杜がコピーライター養成議座を運営していました。

 当時、コピーと言えばゼロックス、複写の方が頭に浮かび、コピーライターとはそもそも何なのか、一般にはまだ理解されていませんでした。

 商品を売るコンセプトをつくり、宣伝文旬を書くのが仕事になるという概念自体がなかったのです。

 あれから40年、この講座に講師として呼ばれました。

 コピーライターをめざす300人の生徒さんを前に落語会。

 謝礼は?と聞かれ、私は答えました。

 「せっかくの御縁ですから、謝礼はいいから、全員に事前に落語に対するイメージやキャッチフレーズをコピーにしたのをプレゼントしてください」

 コピーがギャラ、という初の落語会が実現しました。

 それは、久しぶりに独特の緊張感漂う会場でした。

 そりゃそうです。全員が生徒で、しかもそこそこいい大人です。

 落語のキャッチフレーズコピーは6000通以上が集まり、コピーライター講師の谷山雅計さんと角田陽さんが選び出した厳選コピーは34本。

 これを私の落語の合間に大写しにして一緒に感心したり笑ったり。

 さてそのコピーの中からいくつか、掲載許可もいただいたのでここに発表いたしましょう。

 「『デキる営業マンは落語を聞いている』という本が出版されてもおかしくはない」

 「寒い日の落語は、格別だ」

 「部下の失敗を、落語だと思ったらすこし許せた」

 「人間がカンペキだったら、落語は生まれませんでした」

 「10年前も同じ話を聞いて笑った気がする。俺がバカなのか、落語がすごいのか」

 「いつか笑い飛ばせる日が来ると、江戸時代の人が教えてくれた」

 ああ、すべて書ききれないのが、こんなにももどかしいとは。

 では最後に、優秀賞に選ぱれた3作品です。

 「あたしのピンチには、どんなサゲが待っているのだろう」

 「今日はあなたの隣人の話だよ、明日はあんたの話だよ」

 「幸せとは、今ここで笑っていること、なんかじゃないでしょうか」

 本当にやってよかった落語会でした。
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by woody-goody | 2011-03-11 11:15 | 体験

カーナビ心得

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 さあ、パルコ一カ月公演も残すところ1週間になりました。最後まで声が出ますように、と祈りつつ、合間にとれた休みの日には、人と一緒にいるとついしゃべってしまうので、あまりしゃべらなくてもいいゴルフに向かいました。

 ゴルフとなると朝5時にでも起きてしまう自分が我ながら不思議です。6時に迎えの車が来て自宅を出発、三軒茶屋で高速に乗り、千葉へ向かいました。

 初めてのゴルフ場。

 でもカーナビがあるのでなんの心配もありません。

 車の運転をしない人にはカーナビのすごさがわからないかもしれませんが、これってものすごいことなんですよね。

 声を出して、右だ左だと教えてくれるのはあたりまえ、到着時間を予想してくれて、渋滞があった場合は別のルートをすすめてくれ、それがたとえ遠回りだったとしても結果的には、早く着く方法を指南してくれるのです。

 ところがです。

 自宅を出発して20分ほど経ったころ、高速道路の景色に違和感をおぼえました。

 なんか変。

 こんな道あったかな?と不安げな声でつぶやきながら運転する後輩。

 千葉に行きたいのに、車はどんどん埼玉から東北へと向かっているのです。

 実際には高速道路を走っているのに、カーナビ上では一般道を走っていることになっている。

 後輩が言いました。

 「新しい高速道路ができたんですね!」

 もうお気づきでしょうか、そう、後輩の車に搭載されたカーナビは、今となっては古いバージョンなのでした。

 カーナビが今までの家電と違うところは、機能だけじゃ用がなさないときがあるってことなんです。

 炊飯器なら古いタイプでもこ飯は炊けます、古いオーディオ機器でも音は出ます。

 ところが古いカーナビは、中に新しいソフトが入っていないと、あるべき道がないことになる。たとえば、東京湾を横切っているアクアラインという海上の高速は、古いカーナビの画面上では車が海の上を走っているように表示されるのです。

 それも見てみたい気もしますが、それはともかく、走ってる方向が間違っていると気付いても高速道路から降りる出口を自カで探すのが大変、あせりました。後輩は言いました。

 「今度いい仕事にありつ一たら、まず新しいカーナビ買いますよ」いつも車中では眠っている私ですが、ドキドキしたおかげで、いいウォーミングアップになって成績も上々でした。

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by woody-goody | 2011-01-28 18:57 | 体験

禁煙35日目

 今年最後の当コラムになります。

 清水寺の偉いお坊さんが書いた今年を漢字一文字で表現するなら「暑」でした。

 私個人はどうだったか、考えてみたら「治」以外のなにものでもありません。

 年の初めは、腸ヘルニアの術後の痛みと戦いながらパルコ一カ月公演を乗り切りました。

 着物の帯が傷痕にふれると痛いので、しっかりは締められず、なんとなく腹のあたりがしゃっきりしないままの高座は大変でした。

 ただただ、早く治ることを祈っていました。

 さあ、傷口が治ったかと思えば、4月にば「左手中指の靱帯損傷」。原因を振り返れば、ベトナムで高座を終え、お辞儀をして立ち上がる際に、指の間に扇子をはさんだまま、手に全体重をかけたせいじゃないか、と思い返すだに情けない。

 2ヵ月間、ギプスをしたままの高座が続き、いまだに完全には治っていません。

 お願いだから早く治ってほしいと願う毎日。

 司会をしている番組のおかげで、睡眠時無呼吸症であることも発覚。ものすごく高価なマウスピースが毎晩私の口の中に。

 そんなさなか、禁煙を始め、原稿を書いてるいま、35日目でこざいます。

 なんだか頭がぽーっとしています。

 ほんとにまだ35日目かなあ……。

 気づけばあと2週間でパルコ一カ月公演が始まるというこの時期に、なんでまた禁煙を始める気になったんだっけかなあ。

 そうだ、公演途中で声が出なくなったらまずいと脳が考えたに違いありません。

 思えば、約30年、喉を酷使してまいりました。

 一朝一タにやめられるわけがありません。

 今もニコチンガムを常時かみながら、同時にイライラもかみ締めています。

 10回ほど試み失敗に終わった禁煙後の挫折感。

 今回のきっかけを逃したら、生涯たばこと縁が切れなくなるだろうことは目に見えています。

 挫折感を味わうのはこれを最後にしたく思います。

 そう思ってここに禁煙発表!

 覚悟なしになんとなくやめられたよ、という人、まだ3週間なの!俺なんて3年やめてるよ、僕は30年やめてますよ!と勝者のように誇らし言う人、いまさらやめてもダメでしょう、すでにたばこでもってる体なんだからずっと吸い続けた方が寿命のびるよ、という人、みんな温かい励ましと受け取ることにいたします。

 月並みですが、みなさん、よいお年を。

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by woody-goody | 2010-12-17 07:02 | 体験

民間療法実践中


 世に言う民闇療法なるものを一度もやったことのない私が、楽屋に鍋を持ち込み手を浸している姿は、いかにも怪しい風景です。

 他人がそんなことをしていたら、以前の私なら、なにをぱかなことを、と皮肉の一つも言ったことでしょう。

 そもそも左手中指の靱帯を損傷したのが3月の終わり。

 2ヵ月間ギブスで固定したおかげで、なんとか少し曲がってはいるものの、靱帯はつながったようです。

 ようです、というのは、靱帯はレントゲンに映らないので、想像するしかありません。

 「もうギプスはとってもいいですよ」と言われたときのなんとうれしかったこと。解放の喜びです。

 ところがはずしてみると、中指どころか人さし指も薬指も一緒に動かなくなっていました。

 風邪で数日寝込んだだけで、足が弱るのと同じ理屈でしょう。

 とにかくリハビリを続けるしかありません。

 でも病院に通う時間がありません。

 毎日我慢して曲げていればそのうち治るとは言われたものの、4ヵ月たっても痛みがとれません。

 そこで、「だまされたと思ってやってみたら?」と、ある人が教えてくれたのは、水を入れた鍋に杉の葉を4,5本、お玉に麹みそを2,3杯、鷹の爪を4,5本入れて一煮立ちさせ火を止め、42,3度まで
し、そこへ手を10分ほど浸す。

 その人が言うには、2週間もすれば痛みがとれるのだそうです。

 現在一楽屋で実行中。

 たしかに、気のせいでしょうか、痛みが軽減していくのを感じるのです。

 科学番組の司会をしている者としては、釈然としないものの、理屈はどうあれ、当人が治ったような気がするのだからしょうがない。

 昔から、頭痛のときはこめかみに梅干しを張るとか、のどが痛いときはネギを二つに割って中のネバネバを患部に当てるとか、あせもにはビワの葉が効くとか、不思議な言い伝えがありますが、言い伝えられるということは、なんかあるんですよね。

 紹介してくれた医者も言いました。

 「どうして治るんだかわからないんですけど、とにかく治った人が大勢いるんですよ」

 はい、どうせ痛いんだから、副作用がないかぎり、この際、だまされてみようと思います。

 御報告は後日。
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by woody-goody | 2010-10-22 05:55 | 体験

初のMRI体験

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 地下の過酷な生活から地上へあがってきた人たち、中でも「地中からのお土産だよ」と石を差し出した人の余裕に、さらに感動が増しました。人はつらすぎたときにも、ユーモアがわくものなのですね。長い地下生活の中では祈りとともに、きっとささやかな笑いが気持ちを救っていたのでしょうか。

 私が、みんなはすごい、と思ったのは地下生活もさることながら、地上へあがってくるときに入る直径約54cmという救出カプセルのことです。

 もちろん、やっと救出される、家族にも会える、という喜びで胸がいっぱいでしょうから比べもの
にはなりませんが、閉所恐怖症ぎみの私だったらどうだろうか、ダメだろうな、ずっと地下生活になるかもと思ったのでした。

 だって、MRIがダメだったのですから。

 番組でみなさんにさんざんすすめておきながら、腸カメラを初めて体験したのは今年の夏でした。

 いくつかのポリープはあったものの、良性です、と言われて少なくとも来年までは安心できます。

 自信をもった私は、今度はMRIに挑戦。

 筒状の中にベッドこと入っていき、身体の内部を輸切りに撮影するというものです。

 脳の検査だったため、野球のキャッチャーのようなマスクをかぶり、「なにか異常を感じたときはこれを押してくださいね」とポタンを渡されました。

 やさしい女性看護師さんは「20分ほどで終わりますから、がんばってくださいね」と励ましてくれました。

 ドームの中では「ガンガンガンガン」という機械音が流れ、撮影が始まったらしいというのがわかります。

 私の感じでは2分ほどたったころ、突然気分が悪くなりました。

 そう言えぱ、私は閉所恐怖症ぎみだったのです。

 すぐにポタンを押しました。

 ベッドが戻り始めました。

 「どうしました?気分が悪くなりましたか?」

 なにも答えられない私に「顔色が悪いですね、これは無理かもしれませんね」という結論に。

 「じゃ、日を改めましょうか」と言う看護師さんと検査技師の顔には明らかにガッカリの表情がみてとれました。

 次回は、睡眠薬を服用してのMRIになりそうです。ああ。
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by woody-goody | 2010-10-16 07:34 | 体験

数独をやってみて

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 人はすっきりするために生きているのかも。

 というのは、「数独」を終えてあまりにも気分がよかったものですから。

 基本的に数字嫌いの私が、飛行機の中で手にした週刊誌に掲載されていた「数独」を、ふとやってみようと思ったのは、いったいどういう風の吹き回しなのでしょう。

 きっとそれは、私のラジオ番粗に来てくださった50代の女優さんやタレントさんから「いま、数独にはまってるの、一度志の輔さんもやってこらんなさいよ、すっきりするわよ」と言われたのが頭の隅にあったからだと思います。

 9×9の升目の中に数字を入れていくのですが、あらかじめ何個かの数字がすでにはめ込まれていて、縦横で同じ数字が重なってはいけないというルールがあります。

 要するに、上手に完成すれば、縦横に159までの数字が入ることになります。

 「こんなのがほんとに面白いのかなあ」と思いながら機内で着手。

 機内1時間では終わらず、空港から落語会の会場へ行くまでの車の中でも続行。

 ついに完成したのは、出番前の楽屋ででした。

 合計、90分くらいかかったでしょうか。

 1~9までの数字が縦と横にきれいにおさまった81の升目を見た瞬間、すっきり!

 同時に、達成感、満足感、到達感、征服感……おおげさに思われるかもしれませんが、久しぷりの充実感を味わいました。

 数字は独身に限る、ということから命名されたこのゲーム「数独」。ネーミングの勝利ですね。

 そして、気がつくと私はパソコンの中身を整理し始めていました。

 デスクトップと何台かのモバイルを同期させるのに時間を忘れて集中していました。

 ちっちゃなアイポッドの中に入ってる自分の落語、故人の落語、合わせて4000近くの落語の整理。

 入りきらなくなったので、あれはこちらへ移して、となるとこれはあそこへ、パソコンと睨めっこ。すべておさまったときの満足感といったら。すっきり!

 そう言えぱ「エンディング・ノート」なる帳面がヒット商品になってるそうで。早い話がおしゃれな遺書ってことですか。

 自分の人生を整理してみるのって、相当すっきりするのかな?それとも……

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by woody-goody | 2010-10-01 19:50 | 体験


立川志の輔のエッセイ(毎週金曜日毎日新聞に掲載)


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